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実践的英語科教育法

実践的英語科教育法. 第 8 章 学習方略 英語学習の多様性に影響を与える行動要因. 今日の授業概要. 英語学習において,学習方略はどのような役割を果たしているのか? - 英語学習における学習方略の意義 - 学習方略の定義と分類 - 学習方略の診断テスト( SILL ) - 学習方略の使用に影響を与える要因 - 学習者主体の外国語学習とメタ認知方略. なぜ,学習方略か?. なぜ,学習方略か?. Activity 1  あなたの単語学習法 - 英語の授業に出てきたこれらの単語を覚える必要があります。あなたなら,どのようにして記憶しますか。 .

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実践的英語科教育法

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Presentation Transcript


  1. 実践的英語科教育法 第8章 学習方略 英語学習の多様性に影響を与える行動要因

  2. 今日の授業概要 • 英語学習において,学習方略はどのような役割を果たしているのか? - 英語学習における学習方略の意義 - 学習方略の定義と分類 - 学習方略の診断テスト(SILL) - 学習方略の使用に影響を与える要因 - 学習者主体の外国語学習とメタ認知方略

  3. なぜ,学習方略か?

  4. なぜ,学習方略か? • Activity 1 あなたの単語学習法 - 英語の授業に出てきたこれらの単語を覚える必要があります。あなたなら,どのようにして記憶しますか。  virtual soup ray track fasten wrap chef haresleigh lavatory steak mighty sauce sociable patent erupt beautician fridge stingyconductor

  5. なぜ,学習方略か? • 学習方略の意義 - 個人差要因の中で,学習方略は学習者によるコントロールが比較的容易 - 学習者の積極的・自発的学習を促進 - 言語能力やコミュニケーション能力を向上

  6. 言語学習方略とは?

  7. 言語学習方略とは? • 言語学習方略研究の始まりー「よい学習者」研究 表8-1: 外国語学習成功者の特徴(Rubin(1975)をもとに作成)

  8. 言語学習方略とは? • 学習方略の定義が定まらないという批判 • これまでの学習方略の定義を統合 - 言語学習方略とは「自分を認知的・感情的・社会的にコントロールするために,具体的な状況の中で学習者自身が意識的に選択し使用する思考や行動」(Oxford, 2017, p.48)

  9. 言語学習方略の分類 図8-1: 言語学習方略6分類の直接・間接方略群 (出典:Oxford (1990, p.15) をもとに改変)

  10. 言語学習方略の分類(Oxford, 1990) 直接方略: • 記憶方略 (単語の暗記,文やスキットの暗唱などを行うときの方略) • 認知方略 (テキストや会話の意味理解,文法の体系的理解などを促進する方略) • 補償方略 (コミュニケーションの断絶を克服して会話を継続するための方略)

  11. 言語学習方略の分類(Oxford, 1990) 間接方略: • メタ認知方略 (学習を円滑に進めるための学習の計画,運営,評価に関わる方略) • 情意方略 (不安や動機減退などを克服するための方略) • 社会方略 (他者との協力関係の積極的な構築に基づいて学習を促進する方略)

  12. 言語学習方略の分類 • Activity 2 学習方略を分類してみる - これから紹介する (A) ~ (E) の学習方略が,Oxford (1990) のどの分類にあてはまるか,周りの人と話し合いましょう。さらに,ここに含まれないと判断した分類の学習方略の具体例を,自分たちで考えてみましょう。

  13. (A) 読解で事前に読み取る要点を決めてそこに注目する • 松本 (2006) は,リーディングにおいてタイトルやトピック・センテンスから読み取る要点を自分で質問の形にして,その答えを探すことに注意を集中する学習方略を紹介している。たとえば,“Selling a Product“という英文で,冒頭に“Advertisers use many methods to get us to buy their products.“と書かれていたとする。そこから,学習者自身が,「広告する人は商品を買わせるため,どんな方法を使っているか」という質問を設定し,答えを探すことに注意を集中して英文を読み進める。

  14. (B) スピーチの前に気持ちを落ち着かせる • Oxford (1990) は,あるスペイン語学習者が授業でスペイン語のスピーチを行う前に行った,身体各部の筋肉の緊張と弛緩を左右交互に行う精神安定法(段階的筋弛緩法)や,腹式呼吸による深呼吸,あるいはあるイメージや音を思い浮かべて集中する作業によって気持ちを落ち着かせる学習方略を紹介している。

  15. (C) ディスカッションの事前準備,活動中の自己チェック,事後の振り返り • Kawai (2008) が紹介した英語学習成功者は,学生時代に英語によるディスカッションに参加するために,話題に関する内容や語彙,自分が言いたい事柄の適切な言い回しを調べ,声に出して一人で繰り返し練習していた。また,ディスカッション中に言いたいことが伝わっているかを気に留め,終了後どう言えばよかったかチェックして次回に備えていた。

  16. (D) イメージ図を使って多義語の意味を理解する • Mitsugi (2013) は,多義的な語彙の学習の例として,抽象的なイメージ図を用いる方法を紹介している。たとえばonであれば,球体が平面に接触するイメージ図を提示している。また,廣森 (2006) では,中核的意味と派生的意味のネットワーク的イメージ図を使って,多義的意味の関係を理解する学習方略を紹介している。

  17. (E) 話し相手の協力を求めてコミュニケーションを円滑にする • White (2008) は,リスニングで用いられる学習方略を先行研究から抽出して整理した。その中には,聞き手が話し手の意図を明確にするように依頼したり,自分の理解が正しいかどうか話し手に確認したりする学習方略が含まれている。

  18. Activity 2の答え (A)認知,(B)情意,(C)メタ認知,(D)認知,(E)社会 • 言語学習方略の分類の仕方は様々で,正答が1つとは限らない。たとえば,(A)の「読解の要点に集中する」は「テキストの意味理解」に関係するのでここでは認知方略とした。しかし,SILLでは「聴解で意識を集中する」がメタ認知方略に含まれている。読解でも同様に考えることは可能であろう。また,(D)は「単語の意味理解」に関わるので認知方略としたが,結果的にその語の記憶に結びつくので記憶方略とも考えられる。(E)は話し相手に協力を求めているので社会方略としたが,コミュニケーションの断絶を未然に防ぐための補償方略とも考えられる。

  19. 代表的な言語方略の 診断テスト:SILL

  20. 学習方略の診断テスト:SILL • 6分類に基づいて学習方略使用を自己判定  パートA(記憶方略) - 新語が使われる場を心に描いて新語を覚える。 パートB(認知方略) - 知っている単語をいろいろな文脈で使う。 パートC(補償方略) - 会話中適切な語を思いつかないとき,ジェスチャーを使う。 Strategy Inventory for Language Learning(SILL)の問題例 (Oxford, 1990, (宍戸・伴(訳),1994を一部改変)

  21. 学習方略の診断テスト:SILL パートD(メタ認知方略) - スケジュールを立て英語の学習に十分時間をあてる。 パートE(情意方略) - 英語を使う自信がないとき,リラックスするよう心掛ける。 パートF(社会方略) - 他の学習者と英語で練習する。 Strategy Inventory for Language Learning(SILL)の問題例 (Oxford, 1990, (宍戸・伴(訳),1994を一部改変)

  22. 学習方略の診断テスト:SILL • Activity 3 あなたの学習方略の使用傾向 - 教科書のSILLのサンプルを使って,学習方略の傾向を自己分析してみましょう。それぞれの項目を5段階で自己評価し,パートごとに平均値を算出してください。 - 周りの人とパートごとに傾向を比較し,また思っていた自分の英語学習のイメージと違いがないか話し合いましょう。

  23. 学習方略の診断テスト:SILL • 学習方略使用とTOEFL・TOEICのスコアとの間に相関が報告されている (Dreyer & Oxford, 1996; Kato, 2009)

  24. 学習方略の使用に 影響を与える要因

  25. 学習方略の使用に影響を与える要因 • 方略使用に関わる要因 - 個人差要因(性差・年齢・信条・動機づけ・性格・学習スタイル) - 学習環境(教室内・教室外,ESL・EFL) - 学習活動(スキル,学習項目,目的)

  26. 学習方略の使用に影響を与える要因 • Activity 4 言語環境と学習方略 - 英語がコミュニケーションの道具として教室外では使われていない日本のようなEFL環境と,英語でコミュニケーションする場面が教室外に豊富にあるイギリスやアメリカのようなESL環境では,学習者が使う学習方略にどのような違いが出るでしょうか。周りの人と話し合ってみましょう。

  27. 学習方略の使用に影響を与える要因 • 性格分類 - MBTI (Myers-Briggs Type Indicator): ユング派の性格分類 (外向型・内向型,感覚型・直感型,思考型・感情型,判断型・認知型) • 性格診断テスト - カーシー性格分類 (Keirsey Temperament Sorter: Keirsey & Bates, 1978)

  28. 学習方略の使用に影響を与える要因 • 外向型・内向型 1. パーティであなたは • 初対面の人も含め,多くの人と交流す • 知っているわずかな人々と交流する カーシー性格分類の項目例 (Keirsey & Bates, 1978(沢谷・叶谷(訳),2001))

  29. 学習方略の使用に影響を与える要因 • 感覚型・直感型 2. あなたはどちらかといえば • 現実主義的である • 哲学的な傾向がある 3. あなたはどちらかといえば • 事実に興味をそそられる • 比喩に興味をそそられる カーシー性格分類の項目例 (Keirsey & Bates, 1978(沢谷・叶谷(訳),2001))

  30. 学習方略の使用に影響を与える要因 • 思考型・感情型 4. あなたはどちらかといえば • やさしさよりもフェアな厳しさを大切にする • フェアな厳しさよりもやさしさを大切にする 5. あなたはどちらかといえば • 冷静である • 感情に動かされやすい カーシー性格分類の項目例 (Keirsey & Bates, 1978(沢谷・叶谷(訳),2001))

  31. 学習方略の使用に影響を与える要因 • 判断型・認知型 6. 仕事のスタイルは • 締め切りのある方がいい • マイペースでいく方がいい 7. 選択するときにあなたは • できるだけ慎重に選ぶ • 衝動的に選ぶことが多い カーシー性格分類の項目例 (Keirsey & Bates, 1978(沢谷・叶谷(訳),2001))

  32. 学習方略の使用に影響を与える要因 • 性格分類と学習方略の使用域 - 外向型の学習者は社会方略・情意方略を,内向型の学習者はメタ認知方略をよく使用する (Ehrman & Oxford, 1990) - 学習方略の使用域の拡張は,より充実した外国語学習につながる。

  33. 学習者主体の外国語学習と メタ認知方略

  34. 学習者主体の外国語学習とメタ認知方略 • どの学習者にも普遍的に効果がある学習方略はない。 • 言語環境,学習環境,学習目的,個人差,熟達度に合わせた,学習方略の使い分け,組み合わせが重要である。

  35. 学習者主体の外国語学習とメタ認知方略 • 2017年告示中学校学習指導要領 • 「生きる力」を育むための「主体的・対話的で深い学び」= 自律学習者の育成の重要性 

  36. 学習者主体の外国語学習とメタ認知方略 • 尾関(2010) - 自律学習には自己調整が必要 - 自己調整≒メタ認知方略 - メタ認知方略は「生きる力」を具体的に表す学習目標

  37. 学習者主体の外国語学習とメタ認知方略 • Activity 5 英語学習の目標 - 日本の学校教育で英語を学ぶ学習者は,単に英語の母語話者をお手本とした言語運用を身につけるということ以外に,どのようなことを考えながら英語を学んでいく必要があると思いますか。また,それはなぜですか。周りの人と話し合ってみましょう。

  38. 学習者主体の外国語学習とメタ認知方略 • Activity 5 英語学習の目標 • ディスカッションのポイント - 日本国内での英語使用の目的 - 予想される対話の相手 - 主な英語使用場面 - 日本人が目標とする英語の特徴 - 英語使用中の非言語コミュニケーション

  39. 自己調整する主体としての学習者 • 方略的自己調整モデル (Oxford, 2011, 2017)

  40. 自己調整する主体としての学習者 • メタ方略の使用にはメタ知識が必要 ⑥方略使用条件に関する知識 ①人間に関する知識 メタ知識 ②社会・文化に関する知識 ⑤方略に関する知識 ④長期的な学習に関する知識 ③タスクに関する知識

  41. 自己調整する主体としての学習者 • 外国語学習メタ方略のオーケストラモデル (Oxford, 2017)

  42. 自律した学習者とアクティブ・ラーニング グローバル化 ↓ 異なる言語集団が入り組んで集住 ↓ 多層言語環境の増大 • 新たな社会的状況に対応するために答えのない問題に立ち向かう能力の育成 (中央教育審議会, 2008)

  43. 自律した学習者とアクティブ・ラーニング • キーコンピテンシー(主要能力) - 自律的に行動する力 - 社会的に異質な集団と交流する力 - 社会・文化・技術的ツールを活用する力 (ライチェン&サルガニク, 2006)

  44. 自律した学習者とアクティブ・ラーニング • アクティブ・ラーニング (中央教育審議会, 2012): -「学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称」(p.37) - 学習者自身の学習への関わり方の深さの問題(松下,2015)

  45. 学習者主体の外国語学習とメタ認知方略 • Activity 6 自律学習と教師の役割 - 知識注入型の教育観では,教師が体系化された学習内容をいかに理解しやすいように伝達し,学習者の理解度を判断しながら基礎的な内容からより高次の内容へと進んでいくことが教師の役割であると考えられてきたと思います。自律的な学習が求められるようになると,こうした教師の役割はどのように変化すると思いますか。また,英語教育でそのような役割を求められる場合,他教科とどのような相違があるでしょうか。周りの人と話し合ってみましょう。

  46. 学習者主体の外国語学習とメタ認知方略 • Activity 6 自律学習と教師の役割 • ディスカッションのポイント - 知識注入型ではない学習観とはどのようなものか。 - 知識注入型ではない英語学習では,具体的にどのように英語は学習されるのだろうか。 - そのような学習で教師が果たす役割はどのようなものであろうか。

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