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薬理学演習 2001  6班  Presentation

Bloody Diarrhea. 薬理学演習 2001  6班  Presentation. C ase history. 症例の概要. 8歳,男児 2日間の 下痢 が続き,2日目には14回の排便,さらに 血が混ざる ようになる. 排便時に激しい痛み,嘔吐が1回,全身症状は良かったが, 脱水症状 が見られた. 6日前にバーベキューで,本人が嫌がったにもかかわらず,中心が 生焼けのピンクのハンバーガー を食べる.. 検査結果. 学童の 正常白血球数: 6,000-10,000 /μ l 正常好中球数: 3,000-5,000 /μ l.

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薬理学演習 2001  6班  Presentation

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Presentation Transcript


  1. Bloody Diarrhea 薬理学演習2001 6班 Presentation

  2. Case history

  3. 症例の概要 • 8歳,男児 • 2日間の下痢が続き,2日目には14回の排便,さらに血が混ざるようになる. • 排便時に激しい痛み,嘔吐が1回,全身症状は良かったが,脱水症状が見られた. • 6日前にバーベキューで,本人が嫌がったにもかかわらず,中心が生焼けのピンクのハンバーガーを食べる.

  4. 検査結果 学童の 正常白血球数:6,000-10,000 /μl 正常好中球数:3,000-5,000 /μl • 白血球13,100 /μl,そのうち好中球9,700 /μl • 便をメチレンブルー染色したところ,多核白血球が多く見られた. • グアヤック試験 陽性 →便潜血(+)

  5. 施された治療 • Trimethoprim-sulfamethoxazole (ST合剤)投与 • 脱水症状には静脈点滴による治療 • 24時間で回復,退院

  6. O157, A to Z !

  7. O157感染の報道は記憶に新しいはず 近頃は世間の関心が薄まっているように思われるが,決して克服されたわけではない.Outbreakすれば,依然として猛威を振るう.

  8. 臨床症状 • 軽度下痢症から出血性大腸炎,溶血性尿毒素症候群(HUS),脳症など多様 • 主に水溶性下痢と腹痛で発症する.翌日には血便が見られることもあり,鮮血を多量頻回に排出する場合も多い(出血性大腸炎)

  9. 合併症-1溶血性尿毒素症候群(HUS) • 発症約1週間後,約10%の患者はHUSに移行する.血小板減少や溶血性貧血(LDHの上昇),尿量減少,血尿,蛋白尿などで気づく. • Vero toxinにより血管内溶血→血小板凝集が亢進 →血小板減少(血小板減少性紫斑病) • HUS患者の約3%は死亡.

  10. 合併症-2脳症(中枢神経障害) • 神経症状(痺れ,頭痛)や意識障害を随伴し,痙攣重積,昏睡に陥る例も多い. • 大脳・小脳の血管内皮傷害とプルキンエ細胞の傷害,脳幹・脊髄での神経細胞の浮腫や出血が機序として考えられている.

  11. 病原性大腸菌の分類 • ETEC:腸管毒素原性大腸菌(Enterotoxigenic E.coli) • EIEC:腸管侵入性大腸菌(Enteroinvasive E.coli) • EPEC:腸管病原性大腸菌(狭義) (Enteropathogenic E.coli) • EHEC:腸管出血性大腸菌(Enterohemorrhagic E.coli)=VTEC:Vero(cyto)toxin-producing E.coli,=S(L)TEC: Shiga(-like) toxin-producingE. coli

  12. 大腸菌 O157:H7とは? • グラム陰性桿菌 • 通性嫌気性 • 乳糖を分解して酸とガスを発生 • Oは菌体抗原(リポ多糖体抗原,耐熱性)で,  157はその種類を示す番号(1~173) • Hは鞭毛抗原(鞭毛タンパク抗原,易熱性)で, 7はその種類を示す番号(1~157) 大腸菌の性質

  13. O-157感染の集団発生例 • 1982 米国オレゴン州・ミシガン州 ハンバーガーを介した食中毒 • 1990 埼玉県浦和市 幼稚園の井戸水による集団食中毒 • 1996 大阪府堺市 学校給食集団食中毒等多数

  14. Who is this!?

  15. 出血性大腸菌O157による食中毒の発生状況出血性大腸菌O157による食中毒の発生状況 (厚生労働省のHPより) 報道はあまりされないが発生は続いている!

  16. 腸管出血性大腸菌EHEC     (特にO157)の検査方法腸管出血性大腸菌EHEC     (特にO157)の検査方法 • 細菌学的方法(分離培養) • 生化学的方法(抗原抗体反応) • 生物学的方法(培養ベロ細胞を用いた検定) • 分子生物学的方法(PCR法)

  17. 分離培養 血清型O157:H7菌の特徴 ・糖類のソルビトールを分解しない,または遅れて分解する・β‐グルクロニダーゼを産生しない • これらの特徴を用いて分離培地が作られる.SMC培地(ソルビトール・マッコンキー寒天培地)が代表的

  18. マルチプレックスPCRでの検出 ①  ②  ③  ④ コントロール VT2 VT1

  19. Virulence factors of EHEC • Intimin- EHECの腸管上皮細胞への付着 • Vero toxin (VT) (= Shiga-like toxin )- 細胞の蛋白合成障害- 合併症(HUS,脳症)を引き起こす危険性

  20. EHECの腸管上皮細胞への付着-1 E. coli Attaching & effacing adhesion : intimin protein 細胞骨格物質myosinの燐酸化 細胞骨格の破壊 細胞骨格の再構築 intimin 微絨毛へ の付着 台座形成 細胞骨格物質myosin 腸管上皮細胞

  21. EHECのAttachment & effacing adhesion

  22. EHECの腸管上皮細胞への付着-2 • 台座形成(pedestal formation)→EHECの増殖の足場となる. • 微絨毛傷害→水分吸収障害性下痢 • 絨毛毛細血管の傷害による出血(血便) • 増殖したEHECで産生されたVero toxinが血中に入る

  23. Vero toxin (VT) = Shiga-like toxin • Vero toxinには,VT-1とVT-2の2種 • VT-1は赤痢菌(Shigella dysenteriae)の毒素と同一.VT-2も同じfamilyに属する. • VT-1のみ産生,VT-2のみ産生,あるいはVT-1,2の両方を産生の3種がある.VT-2産生の2種は,より毒性が強いといわれる. • 標的部位は,腸絨毛,腎臓,脳の微細血管

  24. Vero Toxinの産生と作用-1 VT遺伝子は溶原化したbacteriophageにcodeされている. E. Coli (O157:H7) E.Coli(EHEC)の遺伝子 溶原化phageの遺伝子 VTの遺伝子 Vero toxin 細胞膜が破れるなどしてVero toxinを細胞外に放出

  25. VTの産生と作用-2 放出されたVero toxin receptors 腎尿細管, 中枢神経 等の細胞 侵入 ※細かい機構は後のスライドで. 細 胞 死

  26. Vero Toxinの作用メカニズム-1 • VTはA-B toxin→toxinが2つの部分からなり,一つは細胞表面レセプターへの結合の機能を(Binding site),他の部分は活性を示す(Active site) . • A subunit:RNA N-glycosidase活性→28S ribosomal RNAを失活させる→蛋白合成障害 →細胞死

  27. Vero Toxinの作用メカニズム-2 A subunit receptor(Gb3, Gb4) B subunit phagosome ribosome不活化 細胞死 蛋白合成障害

  28. O157感染に対する治療と抗菌薬

  29. O157感染・治療法-1 • 対症療法下痢の程度に応じて補液により水,電解質を補給する腹痛を抑える • 早期抗菌薬を用いて除菌する. • 症状の強い時期抗菌薬はできるだけ用いず,静菌作用をもつものを選択的に用いる.

  30. 各種抗菌薬の抗菌スペクトル ■:適応菌 ■:有効菌

  31. O157感染に抗菌薬は使うべき? 議論が分かれており, まだ解決を見ていない.

  32. 抗菌薬を使うべきでないとする立場 • 菌体の破壊によって毒素が大量に放出され,症状が逆に悪化する可能性. • 抗菌薬の刺激によって,Vero toxinをコードする遺伝子にinductionがかかる可能性.

  33. 最近の報告 • ある種の抗菌薬を使用すると,SOS応答によってベロ毒素をコードしている溶原phageにinductionがかかる可能性がある.  →かえって症状が悪化する可能性がある. Trimethoprim(ST合剤), New quinolones(ノルフロキサシンetc)

  34. 早期症状の場合 • 症状が軽度の時期で,腸管出血性大腸菌(EHEC)が同定されていないことが多い. • 抗菌スペクトルの広い抗菌薬がよい. • 以上の薬物を経口投与する

  35. 症状の強い時期 • 殺菌的な抗菌薬を強力に用いると,菌中の毒素を大量に放出させて合併症の発症を促進する場合もある • 抗菌薬は利用しないか用いるとしても静菌的なものを選ぶ

  36. O157感染・治療法-2 • 禁忌!強力な下痢止め薬(除菌を遅延してしまう). • 出血性大腸菌O157の治療法の主目的は,HUSや脳症など重症合併症の発症予防と治療である.

  37. ホスホマイシン(fosfomycin) • 細胞壁合成阻害作用ペプチドグリカン合成の最初の段階でUDP-GlcNAc-ピルビン酸転移酵素の反応を阻害 • グラム陽性菌・グラム陰性菌・緑膿菌に有効 • 他の系統の抗生物質との間に交叉耐性を示さないため,他系統の抗生物質に対する耐性菌にも有効なことが多い

  38. カナマイシン(kanamycin)-1 • アミノグリコシド系抗生物質 • 蛋白質合成阻害作用細菌の30Sリボソームに結合して蛋白質合成開始の阻害や異常蛋白質の合成を起こす • 好気性のグラム陰性桿菌に有効

  39. カナマイシン(kanamycin)-2 • 経口投与では消化管でほとんど吸収されないので腸内感染症に有効 • ほとんどすべての細菌感染症に使われる • 副作用:腎障害・聴覚障害・前庭器障害

  40. ST合剤-1 • 葉酸代謝の阻害- sulfamethoxazole:ジヒドロ葉酸シンターゼ 阻害により葉酸生合成を阻害- trimethoprim:ジヒドロ葉酸レダクターゼ 阻害により葉酸活性化を阻害 • 小腸で吸収され全身の組織に分布し,腎臓から排泄される

  41. ST合剤-2 • 副作用:血液障害:貧血・白血球減少・血小板減少消化器障害:悪心・嘔吐・下痢腎臓:腎障害皮膚:皮膚炎

  42. 重症合併症に陥った場合の治療 現在,有効な薬剤治療は無い ◩ HUSの場合 水電解質の管理,血漿交換或いは腹膜・血液透析など,急性腎不全に準じた治療を行う ◩ 脳症の場合 脳浮腫を軽減するために輸液量を調節し,脳圧降下薬の投与など,一般の脳症に対する治療を行う

  43. O157感染の予防

  44. 保菌家畜としての牛の重要性 ●1982年 米国の2州でハンバーガーを原因とする      中毒事件が発生.(O157に汚染された牛      肉が感染源であった.) 牛を中心とする家畜での保菌が問題となる. ●1996年 国内でもO157食中毒大発生 家畜のO157保菌実態に関する全国調査屠殺場に搬入された牛の保菌率…1.4%

  45. 畜産物のO157汚染防御策 • O157を含む大腸菌は,動物腸内常在細菌の1つであり,生体内からこれら大腸菌をすべて排除することは不可能である. • O157は腸管以外の筋肉などには存在しないため,腸管以外の筋肉への汚染を防ぐための衛生管理が重要である.

  46. 具体的な感染予防法 • とくに汚染が疑われている肉類の充分な加熱調理を心がける. • 家畜糞便から生鮮野菜類への二次感染に注意が必要である. • 未殺菌の飲料水は消化器系病原菌感染の観点からはきわめて危険である. • 患者の衣類の消毒,汚物の処理後の手指の消毒     ~患者のピーナッツ1個大の糞便中には約1億個,   下痢便の1滴には約100万個の細菌が含まれている.

  47. 牛乳の低温殺菌でO157は死滅するか? 完全に死滅 実験的には牛乳中のO157は64.5℃で16秒間の処理で死滅する.だから通常の低温殺菌条件で心配なし.

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