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第 12 章 一次産品と 資源・食料問題

第 12 章 一次産品と 資源・食料問題. 世界の食料安全保障は可能か. 12.1 資源・食料は不足しているか. a 食料価格急騰とその影響. 2008 年の食料価格急騰 原因 投機資金の流入 オーストラリアの不作 欧米のバイオ燃料推進 路線 新興国 の人口増加 → 世界各地で社会不安を引き起こした. 図 12-1  主要農産物の国際価格の動向. ( 注 ) 小麦,トウモロコシ,大豆は,各月ともシカゴ商品取引所の第 1 金曜日の期近価格である. コメは,タイ貿易取引委員会公表による各月第 1 水曜日のタイうるち精米 100 % 2 等のFOB価格である.

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第 12 章 一次産品と 資源・食料問題

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Presentation Transcript


  1. 第12章 一次産品と資源・食料問題 世界の食料安全保障は可能か

  2. 12.1資源・食料は不足しているか a 食料価格急騰とその影響 2008年の食料価格急騰 原因 • 投機資金の流入 • オーストラリアの不作 • 欧米のバイオ燃料推進 路線 • 新興国の人口増加 →世界各地で社会不安を引き起こした 図12-1 主要農産物の国際価格の動向 (注)小麦,トウモロコシ,大豆は,各月ともシカゴ商品取引所の第1金曜日の期近価格である. コメは,タイ貿易取引委員会公表による各月第1水曜日のタイうるち精米100%2等のFOB価格である. (出所)農林水産省資料 (http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/jki/j_zyukyu_kakaku/pdf/kakaku.pdf2009年4月30日アクセス). 2

  3. b 資源制約の理論と現実 • ロバート・マルサスの「人口論」 • ローマ・クラブによる「成長の限界」 • 人口増加のペースが食糧生産の増加を上回る→食料不足,人口減少 • 21世紀には資源が枯渇,環境汚染激化,工業化停止→経済縮小,生活環境悪化,食料不足→人類は破局的状況へ しかし これらの理論は現実のものになっていない。 • 化石燃料の可採年数は価格と技術が不変の場合の確認埋蔵燃料を何年で使い切るかの指標にすぎない • 最近話題になっているピークオイル論にもかかわらず,当面の期間は一般的に一次エネルギーの供給不安はない 3

  4. c 食料資源の偏在 図12-2の意味 食料資源の偏在 • 食料資源は先進国に集中 • 南アジアとサブサハラアフリカは,    1人当たり平均で北米地域の6分    の1の食料しか入手できずにおり,    所得の低い人は食料を入手できて    いない こうしたことから,食料自体の不足 ではなく,購買力の不足とそれが 生じる要因こそが問題となる →多くの途上国にとって外貨獲得源である一次産品問題を検討する必要がある 図12-2 用途別1人当たり穀物使用量 (2003年) (出所)FAOSTAT Database, Food Balance Sheets (http://faostat.fao.org/site/368/default.aspx 2009年4月30日アクセス)より作成. 4

  5. 12.2一次産品問題の展開 a 一次産品問題の発生 第2次大戦後,商品交易条件指数で示される交易条件の悪化により一次産品の輸出に外貨獲得を依存していた開発途上国は厳しい経済状況に追い込まれた 1950年の価格指数を100    とすると ~1961年:対先進国~ 輸入価格指数 113 輸出価格指数 98 ※98÷113×100 途上国の交易条件指数 87 5

  6. b 資源ナショナリズムの盛衰 図12-3 一次産品価格指数 (注)2009年の数値は第1四半期のみ.1次産品総合価格指数については,1992年以降の数値しか得られない.「食品」は穀物・植物油・食肉・水産物・砂糖・バナナ・オレンジ,「熱帯飲料」はコーヒー・ココア・茶,「玄良農林産物」は木材・綿・羊毛・ゴム・皮革,「金属」は銅・アルミニウム・鉄鉱石・錫・ニッケル・亜鉛・鉛・ウラニウムの価格指数. (出所)IMF, “ IMF Primary Commodity Prices“ (http://www.imf.org/external/np/res/commod/index.asp 2009年5月4日アクセス)より作成. 石油輸出国機構(OPEC),国連貿易開発会議(UNCTAD)での 国際商品協定による一次産品価格安定化と南北間の格差是正の提案 資源ナショナリズム しかし →1970年代に入り急速に高揚 需要と価格の低迷,市場原理主義 →価格安定化機能をもつ国際商品 協定の消滅 • 第1次石油危機 • 新国際経済秩序(NIEO), UNCTADでの一次産品総合プログラムなど コーヒー,砂糖など,緩衝在庫制度をもつ国際商品協定の締結 6

  7. c 一次産品価格の低迷と乱高下 図12-3 一次産品価格指数 (注)2009年の数値は第1四半期のみ.1次産品総合価格指数については,1992年以降の数値しか得られない.「食品」は穀物・植物油・食肉・水産物・砂糖・バナナ・オレンジ,「熱帯飲料」はコーヒー・ココア・茶,「玄良農林産物」は木材・綿・羊毛・ゴム・皮革,「金属」は銅・アルミニウム・鉄鉱石・錫・ニッケル・亜鉛・鉛・ウラニウムの価格指数. (出所)IMF, “ IMF Primary Commodity Prices“ (http://www.imf.org/external/np/res/commod/index.asp 2009年5月4日アクセス)より作成. • 1980年代から90年代にかけて一次産品価格は停滞的に推移し,品目によっては大きく下落した。石油等を除く非燃料一次産品の価格指数は20年間を通じて80年代初頭を上回ることなく多くの期間はそれ以下の水準にとどまっている • 2000年代に入るとアメリカ経済の復調やBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)の経済成長により急激な上昇を見せたが,2008年の世界金融危機の発生で商品相場は軒並み暴落した。投機資金の流入と引き上げが直接的原因とみられるが,国際価格の不安定性という一次産品に固有の特質も背景にある 7

  8. 12.3農産物貿易と食料供給 a 農産物貿易の構造変化 1960年代~1970年代 一次産品や穀物といった,「伝統的」輸出品目が主役 1975年 第1次石油危機に先立って発生した食料危機に伴い,穀物,熱帯産一次産品両者で構成比4割強に 1980年代以降 両者の地位は低下 2000年 両者ともに構成比8.6%にまで低下,これらにかわって大豆や食肉等「非伝統的」高付加価値農産物が輸出を拡大 (2000年構成比合計33.1%) 表12-1 世界の主要農産物の輸出額 (注)テキスト参照. (出所)Food and Agriculture Organization of the United Nations, “FAOSTAT Databases” 8

  9. b 高付加価値農産物貿易の拡大 大豆:典型的な高付加価値農産物 『植物油』の原料 大豆の輸出量 1990年代の10年間でほぼ倍増,世界合計で2000/01年度に5375万トン,06/07年度には7150万トンに達した 主要輸出国 • アメリカ • ブラジル • アルゼンチン 3カ国の寡占状態 • 生鮮リンゴの輸出国には中国やチリ,南アフリカ • トマトに関してはスペインやモロッコ,ヨルダン,シリアといった開発途上国も名を連ねる • 鶏肉の生産でもこういった国々の台頭が目立つ 9

  10. c 穀物輸出の構造 • 世界の穀物輸出総量はここ数年徐々に増加し,アメリカが一貫して世界最大の穀物輸出国である • 上図の穀物輸出総量や小麦,トウモロコシの輸出を見ても世界の穀物貿易は一握りの国や地域が輸出の大部分を占める寡占的構造になっており,いずれかの地域が不作になれば穀物輸入国に大きな影響を及ぼす 10

  11. 12.4多国籍企業と国際商品市場 a 農産物貿易の主役ーー多国籍アグリビジネス •  多国籍アグリビジネスと呼ばれる農業生産や農産物流通に直接関連する多国籍企業(ネスレ社など)や,穀物メジャーと呼ばれる巨大商社が,世界の農産物貿易を支配する構図になっている •  穀物メジャーのなかでは,1990年代以降になると,厳しい競争と後発企業の追い上げにより,カーギル社とバンギ社以外は撤退,かわってADM社が参入しアメリカ最大の穀物貯蔵能力を備えるまでになった •  アメリカでは,食肉加工・流通でタイソン・フーズ社が最大の企業となり,一方豚肉部門で最大のスミスフィールド・フーズ社が積極的に肉牛屠畜分野に進出している 11

  12. b 資源・環境問題とバイオ燃料ブーム • 地球温暖化をめぐる議論では,植物由来の燃料がカーボンフリーであるとの 認識から,バイオ燃料の製造が各地で推進された ブラジルではバイオエタノールで自動車用ガソリンを部分的に代替する政策を導入し,2007年には販売された自動車の85.6%がフレックス燃料車となっている アメリカでは国内生産量が2006年に48.6億ガロンにのぼり,7.3億ガロンを輸入している。2007年政府によるバイオ燃料拡大政策であるTwentyin Ten政策の発表,ADM社や後発企業の成長など官民でこの動きは拡大している EUでは1990年代後半以来バイオ燃料復興政策を推進しており,今日ではバイオディーゼルが主流で2006年には石油換算で385万トン,バイオ燃料合計で538万トンが消費されている,2007年の首脳会議で2020年までにバイオ燃料比率を10%以上にするといった目標がある 12

  13. c 資源・食料問題の焦点 • バイオ燃料の拡大により資源問題と食料問題は直接関連する時代となった • 石油価格の高騰が発生した場合,一握りの穀物輸出国・地域や新興農業国(NACs),多国籍アグリビジネスが貿易利益を享受し,開発途上国の貧困層は食料供給の危機にさらされる • 中期的な不安要素はあるが,現在のところ世界の食料供給量は需要を満たすことができる水準にあることを見れば,購買力こそが決定的要因である。「世界の食料安全保障は可能か」という問題は,緊急時に最低限必要な食料の調達体制をどのようにして整えるかという課題としてとらえるべき • 穀物需給の逼迫 富裕層 開発途上国の貧困層 13

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