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C.T.ホーングレンほか、渡邊俊輔監訳 『マネジメント・アカウンティング』              ~ Introduction to Management Accounting

C.T.ホーングレンほか、渡邊俊輔監訳 『マネジメント・アカウンティング』              ~ Introduction to Management Accounting.                 明治大学経営学部 鈴木研一ゼミナール                                担当 坂本 謙太                                    池戸 聡. 第9章 マネジメントコントロールシステムと責任会計. 内容. 非財務的業績尺度 品質管理 サイクルタイム 生産性 マネジメントコントロールシステムの未来.

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  1. C.T.ホーングレンほか、渡邊俊輔監訳『マネジメント・アカウンティング』             ~ Introduction to Management Accounting                 明治大学経営学部 鈴木研一ゼミナール                                担当 坂本 謙太                                    池戸 聡

  2. 第9章 マネジメントコントロールシステムと責任会計第9章 マネジメントコントロールシステムと責任会計

  3. 内容 • 非財務的業績尺度 • 品質管理 • サイクルタイム • 生産性 • マネジメントコントロールシステムの未来

  4. 非財務的業績尺度 • 非財務的業績尺度の重要性 • 例えば、販売部門では顧客満足度、製造部門では支損や製品性能が重要視 • 会計担当者やマネジャーは、利益や原価差異などの財務的尺度に注意を払いすぎ、非財務的尺度を見落としがち • 優れた財務的業績は、優れた非財務的業績の後に続いて現れる • 多くの組織で、品質、サイクルタイム、生産性などの非財務的業績のコントロールが重要

  5. 品質管理(Control of Quality) • 品質管理 • 製品・サービスが顧客の期待を裏切らないようにするための活動 • 顧客は、自分の必要性と製品・サービスの属性を比較することによって品質を定義する • 企業に求められるもの • 顧客の必要性に基づいて品質を定義 • 求められる品質の水準に到達し、それを維持

  6. アメリカにおける伝統的なアプローチ • アメリカにおける伝統的なアプローチ • 製品が完成したらそれを検査し、はねられた製品があった場合には、これを取り出し、補修作業を施すというやり方 • 完成した製品のうち一部のサンプルだけが検査対象 →不良品の数が許容品質水準(accept able quality level)を超えない限り、製造工程はコントロールされていると見なされる →不良品の一部は顧客へ

  7. 問題点 • 問題点 • 検査によって品質を高めるというやり方がコスト的に見て割高 • なぜか? • 不良品の製造や検査に費やされた資源が全て無駄になってしまうし、不良品の補修にかなりの作業を追加しなければならないから • 品質の財務的な影響を示す品質コスト報告書により明らか

  8. 品質コスト報告書(cost of quality report) • 4種類の品質コスト • 予防原価(prevention cost) • 不良品の製造や規格外のサービス提供を事前にするために発生するコスト(製造しやすい製品を設計するためにかかる技術研究費や従業員の教育訓練費なども含む) • 評価原価(appraisal cost) • 不良な製品・サービスを製造するために発生するコスト(調査費や検査費など) • 内部失敗原価(internal failure cost) • 不良な部品、製品、サービスを製造するために費やしたコストおよびそれらを補修するのにかかるコスト(不良品によって引き起こされた遅延のコストも含む) • 外部失敗作品(external failure cost) • 不良品が顧客の手に渡ってしまったことによって発生するコスト(修理費用、返品によるコスト、保障費用など)

  9. 品質コスト報告書 Eastside Manufacturing Company

  10. 考察 • この報告書によれば、発生したコストの大部分は内部失敗や外部失敗によって引き起こされた • 品質の不良は、内部工程の遅延、売上高の喪失などの巨大な機会損失につながる • 品質コスト報告書に記載される目に見えるコストよりもずっと大きなコストの存在

  11. TQMアプローチ • アメリカ企業の品質管理の考え方の見直し   →TQMアプローチの採用 • TQMアプローチ • 始めから高い品質を達成するのが、品質コストを最小にするやり方だという仮定に基づく • TQM(total quality management:総合的品質管理) • 顧客を満足させるための組織内の全ての活動に品質重視の考え方を適用したもの

  12. 品質管理図表(quality-control chart) • TQMは、組織目的、組織構造、マネジメントコントロールシステムに大きく影響する • 逆に、TQMがうまく機能するためには、従業員がプロセス、製品・サービス、品質管理情報の扱いに、十分に通じていなければならない • 従って、TQMを実施するには、従業員は次に示す品質管理図表を作成・解釈し、それに基づいて行動を起こせるように訓練されていなければならない • 品質管理図表(quality-control chart) • 様々な製品属性の測定値を統計的にプロットした図表

  13. 品質管理図表 Eastside Manufacturing Company

  14. 考察 • この図表によって、不良品が発生する前に、プロセスの偏差を修正することができる • また、この図表によって製品次元(製品属性)の大きすぎる変動が明らかになったら、そのことは工程設計者に伝達される • この図を見ると、通常0.6%(あまりよい不良率ではない)の不良率目標を達成できていないことが分かる • 従って、この図表を目にしたマネージャーは、何らかの是正措置が必要であると感じるであろう。

  15. サイクルタイムの管理(Control of Cycle Time) • 品質向上のカギの1つは、サイクルタイムの短縮 • サイクルタイム(cycle time) • 製品、サービス、部品などを完成させるのに要する時間 • 製造活動やサービス活動の能率や有効性を要約して表す指標であり、重要なコストドライバー • サイクルタイムが短いということは、製品・サービスを素早く(不良を出さずに)完成させられるということ

  16. サイクルタイムの短縮 • なぜ、サイクルタイムの短縮が求められるのか? • 製品・サービスの加工にかかる時間が長ければ長いほど、より多くのコストが発生するから        • サイクルタイムの短縮に必要なものは? • プロセスの流れを円滑にし、品質を向上させ、顧客の要求にフレキシブルかつ迅速に対応すること

  17. サイクルタイムの管理の必要性 • サイクルタイムを短くすれば、製品・サービスを素早く完成させられ、今より早く顧客のところへ届けられる • 顧客は製品・サービスが早く届くことを非常に高く評価する • サイクルタイムが短くなれば、工程の品質上の問題があらわになり、品質改善のためにそれらを処理しなければならない

  18. 企業のサイクルタイムの管理方法 • 企業では、プロセス全体と、その重要な部分の両方のサイクルタイムを計測 • サイクルタイムの有効なツールとして、バーコードがある • 各部品、各製品にバーコードがつけられ、各段階が終わるごとに機械で読み取る • バーコードを読み取った時点間の長さが、各プロセスのサイクルタイムとして計測される • バーコードを利用することで、材料、製品などの棚卸資産の状況の把握、生産計画の立案、配送などを適切に行えるようになる • 次に、サイクルタイム報告書の例を示す

  19. サイクルタイム報告書 Eastside Manufacturing Company

  20. 考察 • この報告書によれば、全部で5つある生産工程のうち、2つでサイクルタイムが目標値を上回っている • ここでの差異の説明から、品質の低い原材料と製品設計の拙さから、大幅な作業のやり直しと再検査が必要になってしまったことが分かる

  21. 生産性の管理(Control of Productivity) • アメリカの半数以上の企業では、企業競争力を向上させるために、生産性の改善に取り組む • 生産性(productivity) • 産出量(outputs)を資源投入量(inputs)で割って算出した尺度 • 一定の産出物を作り出すのに必要な投入資源が少なければ少ないほど、生産性は高くなる • 生産性をこのように単純に定義すると、生産性を測定するのは非常に難しい問題となる

  22. 生産性の定義の難しさ • 産出物あるいは投入資源は、どのように測定するか? • マネジメントコントロールの対象がどのような問題であるかによって、最も適切な投入資源および産出物の測定方法が決まってくる • 例 • 労働集約的な組織(特にサービス業)では、労働生産性の向上に関心がある →投入労働量を基準とした生産性の測定尺度が最適 • 自動化の進んだ企業では、機械の利用状況や投下資本の生産性に関心がある →そういった企業にとっては、機械の利用可能時間割合などの資本に基づく測定尺度が重要 • 製造業では、一般に、原材料の効率的な消費が課題となっている →原材料の歩留(原材料の投入量に対する産出物の割合)が有益な指標

  23. 生産性尺度の定義 • 全ての生産性尺度に共通して言えることは、 • 「マネジャーがコントロールしたいと考えている資源の測定尺度が分母(資源投入量)」となり、「投入された資源を消費して達成される目標を測定する何らかの尺度が分子(産出物)」になるということ • 次に12種類の利用可能な生産性尺度の例を示す • 見れば分かる通り、マネージャーが関心を持つ資源に応じて、生産性の測定尺度も多岐に渡っている

  24. 資源 産出量(分子) 投入量(分母) 労働 優れた産出に従事した標準労働時間 ÷     実際の労働時間 売上高 ÷     従業員数 売上高 ÷     給与 銀行預金 ÷     従業員数 接客の電話 ÷     従業員数 顧客の注文 ÷     従業員数 材料 産出量の重さ ÷     投入量の重さ 優れたもの ÷     総量 備品、資本 使用時間 ÷     利用可能時間 物質生産能力 利用可能時間 ÷     24時間(1日につき) 機械の優れた産出の予想稼働時間 ÷     実際の機械稼働時間 生産性の測定尺度

  25. 生産性尺度の選択 • 企業は、どのような生産性の測定尺度を採用すればよいのか? →どのような行動を望ましいと考えるかによって決まってくる • マネージャーは、通常、上位者が望む業績水準を達成するように努力するものである • 従って、トップマネジメントが直接作業時間に関連した生産性尺度によって部下を評価するのであれば、下位のマネージャーは、その特定の指標を良くすることに専念するはずである

  26. 生産性尺度の選択の際に • 生産性尺度を選択する際に注意すべきこと • マネージャーは尺度に反映されない業績を犠牲にすることで、ある業績尺度を改善させられるということである • 例 • 生産ランを長くのばせば、機械設備の生産性は向上する • その結果、不要な在庫を抱えることになってしまう • あるいは、短期的に労働生産性を上げた結果、不良率が高くなってしまうかもしれない

  27. 多様な生産性尺度の設定 • 単一の生産性尺度を使うと全体的な業績の向上にはつながりにくい • マネジメントコントロールシステムを設計する場合、業績を向上させるために、従業員が判断するトレードオフのバランスをうまくとらなければならない • 多くの企業では、品質管理、サービスなどのより基本的な活動がマネジメントコントロールの対象とされ、生産性尺度を用いて、こうした活動における改善の成果が報告されている

  28. 測定時期の異なる生産性尺度の比較 • 測定時期の異なる生産性尺度を比較する場合には、注意を要する • プロセス自体あるいはインフレ率に変化があれば、謝ったメッセージとなりかねない • 例えば、米国中西部にある電気通信企業であAmeritech Corporationにおける労働生産性尺度についての図を次に示す • Ameritechが採用する生産性尺度に「従業員1人あたりの売上高」があった • 前提条件 • インフレーションによって、1995年の$1は1997年の$1.053と同じ価値があることになる

  29. 生産性尺度の図1 Ameritechの労働生産性尺度

  30. 考察 • この生産性尺度を見る限り、Ameritechは労働生産性を4.7%改善 • しかし、売上高に対するインフレの影響はまったく考慮されていない • 従って、1997年のドルで評価された1995年の売上高は  $13,428×1,053=$14,140となる(この計算をすれば1995年の売上高を1997年の売上高と比較できる) • インフレの影響を考慮した1995年の従業員1人あたりの売上高を示せば、次のようになる

  31. 生産性尺度の図2 インフレ調整後のAmeritechの労働生産性尺度

  32. 考察 • インフレの影響を調整した結果、Ameritechの労働生産性は、決して良くなっておらず、むしろ悪化していることがわかる • 結果、マネジャーに何らかの是正措置が必要であることを強く訴えるものである • 例えば、販売価格を値上げするとか、従業員数を削減するなどの行動を起こさなければならない

  33. マネジメントコントロールシステムの未来 • 組織が成熟し、環境が変化するのに対応して、マネジャーはマネジメントコントロールシステムの範囲を拡張し、システムをより洗練されたものにするべき • 10~20年前に適切であったマネジメントコントロールシステムのための手法も、今日の多くの組織にとっては不適切なものに • 環境の変化のため、組織は様々な下位目的すなわち最重要成功要因を設定する必要がある • 下位目的が変わればターゲットとなる目標値も変わってくるし、業績を評価する基準も変わる →マネジメントコントロールシステムが進化しなければならないのは明らか →このテキストのマネジメントコントロールシステムのための手法もわずかなうちに陳腐化してしまうかもしれない • 新しい経営管理上の必要性を満たすためにシステムを変更する場合に備え、常に尊重すべきマネジメントコントロールシステム設計上の7つの原則を次に示す

  34. 原則1 • 個人は自分の利益を満たすように行動する、と常に考えること • 中には自己犠牲的な行動を取る人もいるかもしれないが、マネジメントコントロールシステムを設計する場合には、典型的な人間行動を前提にしなければならない • ただし、自分のために行動する人間といっても、異なった文化のもとでは異なった行動をとるということに注意しなければならない

  35. 原則2 • 自分の利益を最大にしようと考えて行動する個人が、組織目的に合致した行動をとるようにインセンティブを設計すること • よくあることであるが、組織目的が複数ある場合には、複数のインセンティブを用意するのが適切である • インセンティブ間のバランスをうまくとることが大切 • また、複数の目的を達成できるのか、実験してみる必要があるかもしれない

  36. 原則3 • 計画値(可能ならば実際のアウトプットに対して調整された計画値)を基準にして実績値を評価すること • 変動予算の考え方は、財務的業績尺度であれ非財務的業績尺度であれ、ほとんど全ての下位目的・目標に適用可能である

  37. 原則4 • 非財務的業績尺度は、財務的業績尺度と同様に重要であることを忘れてはいけない • マネージャーにとっては、非財務的業績尺度を全く顧みずに、財務的業績尺度だけを良く見せることも、短期的には可能である • しかし、そうしたごまかしは長くは続かない

  38. 原則5 • 企業のバリューチェーンの中に業績測定尺度を位置付けること • 企業の長期的な成功にとって重要な全ての活動が、マネジメントコントロールシステムに取り込まれているかどうかを、きちんと確認する必要がある

  39. 原則6 • マネジメントコントロールシステムがうまく機能しているかどうかを、定期的にチェックすること • 目標を達成することが下位目的や目標の達成につながっているかどうか • 各従業員はマネジメントコントロールのための情報を効果的に入手・理解・利用しているかどうか

  40. 原則7 • 世界中の競合他社で採用されているマネジメントコントロールシステムの成功例や失敗例から学習すること • 文化の差異はあったとしても、人間の行動というのは驚くほど似ている • 新しい技術やマネジメントコントロール手法を導入した成功事例は、他社の業績から観察することができる

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