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硬X線偏光観測 PHENEX 今後の計画. 大阪大学大学院理学研究科 林田清、穴吹直久、森本真史、常深博 山形大学理学部 郡司修一、門叶冬樹、櫻井敬久、岸本祐二、石垣保博、菅野誠、村山裕章、 理化学研究所 三原建弘、小浜光洋、鈴木素子 ISAS/JAXA 斎藤芳隆、山上隆正. 姿勢制御 ( 方位角) 制御がはずれると発振状態となり、減衰に時間がかかった ARGOS GPS のノイズ 姿勢検出 太陽が気球の影になった時間帯で、検出限界の少し上 (PSD) 、検出限界以下(モニター用 CCD) シリアルコマンド PIシステムノイズが大きくノイズ対策が要求された
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硬X線偏光観測PHENEX今後の計画 大阪大学大学院理学研究科 林田清、穴吹直久、森本真史、常深博 山形大学理学部 郡司修一、門叶冬樹、櫻井敬久、岸本祐二、石垣保博、菅野誠、村山裕章、 理化学研究所 三原建弘、小浜光洋、鈴木素子 ISAS/JAXA 斎藤芳隆、山上隆正
姿勢制御(方位角) 制御がはずれると発振状態となり、減衰に時間がかかった ARGOS GPSのノイズ 姿勢検出 太陽が気球の影になった時間帯で、検出限界の少し上(PSD)、検出限界以下(モニター用CCD) シリアルコマンド PIシステムノイズが大きくノイズ対策が要求された 複数回送信する必要、遠方では届かず テレメトリ 一時的に特定のHK項目が出力されず 偏光検出器MAPMT 特定のCsI chでノイズが高い->Low Thを個々のchで調整。 PHENEX2006成果と問題点 • システムとして動作し、レベルフライト6時間のうち1.4時間かに星雲を視野にとらえることができた。バックグランド観測は1時間。 • かに星雲の硬X線領域での偏光度について、(統計誤差は十分小さくはないが)測定結果を提示することができた。 気球による減光が1桁近く、予想値は1/2-1/3。エッジをかすめた?
PHENEXシステム概要 電池箱 データ処理気密箱 検出器気密箱 PHENEX偏光検出器 4ユニット VME-CPU GPS USBメモリ モニターカウンター VME-DPボード アンタイカウンター 姿勢系 Arm-CPU HV装置 USBメモリ CCD太陽センサー PC/104 カード (HK用ADC&DI等) PSD太陽センサー 視線方向まわり回転機構 エレベーション制御機構 GAセンサー DC-DCコンバータ 気球システム GPS 送信機 受信機 モーメンタムホイール 姿勢系Arm-CPU テレメトリー装置 コマンドシステム 地上系 QLシステム
偏光検出器ユニット データ処理系気密箱 PC/104 検出器気密箱 GAセンサ CCD太陽センサ VME PSD太陽センサ 視線方向周り往復回転 (系統誤差削減に重要; 1往復/10分) モニターカウンタ モーメンタムホィール PHENEXゴンドラ@三陸
PHENEX2007計画 • PHENEX2006実験の問題点を改善して、世界初の天体(かに星雲)からの硬X線偏光検出を目指す • 偏光検出器の仕様、個数、データ処理装置、電源など基本仕様は変更しない • 透過率 x1/0.7 , ON-source時間 x3 で統計誤差~1/2 • 2007年5-6月放球に向けた準備状況 • 偏光計(MAPMT一部のchでノイズ大;1台づつ分解調査を開始) • データ処理系(ハードは再利用、ソフトの微調と長期ランを行う) • チャンバー&回転装置(損傷部分を改修中) • 電源系(DC-DCコンバータ式とは別に3端子方式を準備中) • 1次電池(仕様は昨年と同じ;注文待機中) • シリアルコマンド系(相模原での定量的試験) • 姿勢制御系(地上試験を開始) • 姿勢検出系(CCD,PSDは手配済、ソフトの変更によるdynamic rangeの拡大) • 外部ケーブル(2月、3月に再製作) 2007年3月にGO/NOGOの最終判断
PHENEX2008/2009計画 4時間の観測でMDP~16% • 偏光検出器の台数4台->9台 • データ読み出し&処理装置の改良、小型化 • チャンバー、回転機構は再利用 • 2次電池の利用検討 • 低バックグランド化(2009) • コリメータの一部をアクティブ(シンチレータ)化 • かに星雲(2008)、Cyg X-1(2009)をターゲットとする 夜間の姿勢検出システムが必要 天体がどの程度の偏光度をもっていれば有意に検出できるか? 現在の装置で、かに星雲が視野中央に入った場合、SRC~0.3Hz、SRC:BGD=1:3 バックグランドを低減できれば、同じ有効面積、観測時間でもMDPがさがる かに星雲より暗いソースではより有効
期待される感度とターゲット(9ユニット) 40keV以上の領域で • 2010年以降、南半球での大陸間横断フライトが実現し、>1週間の観測時間が確保できれば、10個以上の天体がターゲットになる。 • データ処理装置の省電力化、大容量化が必須 • 1Crab以上の天体 Cygnus X-1 Crab Nebula • 50mCrab-1Crabの天体 Crab Pulsar、 Sco X-1 Vela X-1、1700-377 GX 301-2、 1657-415 GX1+4、GX5-1 NGC4151、 Cen-A Cygnus X-3、 Her X-1
宇宙空間の磁場と高エネルギー電子 シンクロトロン放射であれば偏光方向は磁力線と直交 ブラックホール周辺の降着円盤 硬X線偏光観測で探る宇宙(一例) ブラックホールと降着円盤の“想像図” Credit: Ben Bromley (Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics) http://imagine.gsfc.nasa.gov/YBA/cyg-X1-mass/black-holes.html かに星雲 2.6/5.2keVで19% 40keV>で? SN1006 超新星残骸 宇宙線粒子の加速の現場 磁場の向きによって加速の効率が大きくかわる 100% 降着円盤で反射されたX線の偏光度の期待値 偏光度 10% 1% Ex(keV) Matt, 1993, MNRAS 260 X線イメージはNASA/CXC提供
かに星雲(軟X線・硬X線) 2.6keV X線の偏光方向(159°) 可視光 軟X線 軟X線 NASA/CXC/ASU/J.Hester et al.; Optical: NASA/HST/ASU/J.Hester et al.) NASA/CXC 硬X線 Makishima et al., 1981
国内外の状況(気球実験) • 硬X線偏光観測の気球観測実験の計画としては、PHENEXが先行。SLAC(米)、東工大、宇宙研、広島大他による国際協力グループによるPoGO-Lite計画が2008-2009年の1st Flightを目指して着実に準備中 • ガンマ線コンプトンカメラによる気球実験(HEFT-Mk2;Si/CdTe(ISAS他)、NCT(UCB他))が2008年フライト計画中。ガンマ線領域での偏光検出能力をもつ。 PoGO(-Lite) 図はhttp://www.hp.phys.titech.ac.jp/pogo/detector.htmlより *) 植野他 2006年物理学会
(小型)衛星計画 • X線偏光観測衛星はOSO8(1970年代)以降実現されていない • 2003年にアメリカのSMEX(小型衛星)計画公募に提出された37件のうち、4件がX線偏光計画。ただし、いずれも非採択。 • 日本のX線ガンマ線小型衛星計画 Polaris • 2006年12月小型衛星検討WGのひとつとして承認された • 阪大、山形大、金沢大、宇宙研、理研、東工大、名大、京大、広島大他 • 目的 • かに星雲の1/100の明るさのX線源の偏光観測 • 広視野偏光計によるガンマ線バーストの偏光測定 • 2010年半ばの実現が目標 • 気球実験の成果を直接、間接に利用 • 散乱偏光計 PHENEX, PoGO-Lite • ミラー SUMIT • (ガス偏光計 SMILE) • (インドの小型衛星計画でもX線偏光を検討中) ミラー焦点距離6mx4台 Polaris ガス偏光計 散乱偏光計
X線天文における偏光観測 InFOCus, SUMIT,etc 10keV以上で左に迫る感度を目指す 10個程度のX線源(>30-40keV) >40keV CygX-1(>40keV) 100個程度のX線源(0.3-80keV) かにパルサー(>30keV) PHENEX2006,2007,2008 PHNEX2010-,PoGO-Lite PHENEX2009 Polaris PoGO-Lite2008/2009 • X線天文学の30年前、現在、近未来
まとめ • PHENEXは世界に先駆けた硬X線偏光観測プロジェクトである • 2007年フライトでは、2006年フライトの問題点を改良し最小限の変更で、統計的に有意なかに星雲の偏光検出を目指す • 2008年には偏光検出器を4ユニットから9ユニットに増強し、かに星雲の詳細観測を行う • 2009年には、アクティブコリメータの導入で低バックグランド化を図り、CygX-1の偏光測定を行う • 2010年以後、長時間フライトにより本格的な観測フェイズに移行する • X線ガンマ線偏光観測小型衛星Polarisに技術的、人的成果を生かす