1 / 51

森と街の直接連携の必要性

山 を守り、住む人を守る住宅をめざして. 森と街の直接連携の必要性. 前田拓生 埼玉大学経済 学部研究員 早稲田 大学理工学研究所客員研究員. 本研究 は・・・ ( 独)科学技術振興機構 社会技術研究開発事業「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」研究開発領域 研究開発プロジェクト「快適な天然素材住宅の生活と脱温暖化を「森と街」の直接連携で実現する (代表:田中優:天然住宅共同代表) 」での議論を基に前田拓生(埼玉大学経済学部研究員、早稲田大学理工学研究所客員研究員)がまとめたものである 。

darius-tate
Télécharger la présentation

森と街の直接連携の必要性

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. 山を守り、住む人を守る住宅をめざして 森と街の直接連携の必要性 前田拓生 埼玉大学経済学部研究員 早稲田大学理工学研究所客員研究員

  2. 本研究は・・・ (独)科学技術振興機構 社会技術研究開発事業「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」研究開発領域 研究開発プロジェクト「快適な天然素材住宅の生活と脱温暖化を「森と街」の直接連携で実現する(代表:田中優:天然住宅共同代表)」での議論を基に前田拓生(埼玉大学経済学部研究員、早稲田大学理工学研究所客員研究員)がまとめたものである。 本論文に示されている内容は、すべて筆者個人に属し、筆者の所属する研究機関、研究会等の見解を示すものではない。あり得べき誤りはすべて筆者個人に属する。 本研究報告について

  3. 研究報告のフロー 第3の流れとして直接連携が必要 プロローグ 木材流通構造調査 輸入木材が主流 大規模業者は経済合理性を重視 日本は世界有数の森林保有国 木材は工場で加工されて建材となる 機械で加工しやすい輸入材が人気 日本の住宅は輸入木材が中心 不況下で競争激化 日本の森林の現状 加工をしやすくするため高温乾燥 加工をしやすくするため集成材を使用 小規模業者は木材販売会社から購入 市場から消えていく 競争に勝てない

  4. プロローグ 森林と住宅の関係

  5. 目指すべき社会とは CO2吸収 環境にやさしく、 健康にもやさしい建材供給 森林を保全するため の資金供給 (適正な利潤を山に戻す) CO2貯蔵

  6. 沢山あるのに、使われていない森林資源 森林・林業学習館 http://www.shinrin-ringyou.com/forest_japan/menseki_japan.php

  7. 木材の利用と新築住宅着工との関係 住宅(右メモリ) 外材丸太 輸入製材 国産材

  8. 森林資源現況調査からの考察 現在の森林状況

  9. 森林の自然成長で生産可能な木材量 平成14年 平成19年 伐採されなかった 森林の材積 伐採され、生産された木材量 森林の自然成長による増加量=持続可能な木材の生産量

  10. 伐採して生産した木材量はどのくらい? 平成14年 平成19年 伐採され、生産された木材量

  11. 建材の素材はスギ・ヒノキで65%

  12. スギの成長は非常に速い

  13. 伐採された本数(スギ)

  14. 伐採された本数(ヒノキ)

  15. スギ9齢級・ヒノキ12齢級から伐採→生産

  16. 伐採せず、将来、生産可能な木材量 平成14年 平成19年 伐採されなかった 森林の材積

  17. 日本の森林状況 森林・林業学習館 http://www.shinrin-ringyou.com/forest_japan/menseki_japan.php

  18. 伐採されずに存在する材積(スギ)

  19. 伐採されずに存在する材積(ヒノキ)

  20. 自然成長だけで全ての住宅建設が可能But、今後も利用されなければ、日本森林は荒れていく自然成長だけで全ての住宅建設が可能But、今後も利用されなければ、日本森林は荒れていく

  21. 木材流通構造調査からの考察 何故、住宅に国産材が使われないか?

  22. 新流通・加工システム 平成16(2004)年度から平成18(2006)年度にかけて実施 国産材の利用が低位であった集成材や合板等の分野で、地域における生産組織や協議会の結成、参加事業体における林業生産用機械の導入、合板・集成材等の製造施設の整備等を推進するものであり、全国10か所でモデル的な取組を実施した 新生産システム 平成18(2006)年度から平成22(2010)年度までの5年間実施 製材の分野で、民間のコンサルタントによるプランニング・マネジングについての助言の下、施業の集約化、安定的な原木供給、生産・流通・加工の各段階でのコストダウン、住宅メーカー等のニーズに応じた最適な加工・流通体制の構築等の取組を川上から川下までが一体となって実施するものであり、全国11か所のモデル地域で取組が行われた 国の対策

  23. 統計からみた木材の流れ 木材の生産量・供給量(丸太換算)は千m3、( )内は% なお、全住宅:841千棟、木造住宅:466千棟 国内製材供給量 26,634 流通過程 商社 ・直接輸入 プレカット工場 (24.9) 輸入製材 10,813 (40.6) 建築業者 国内素材生産量 15,821 集成材工場 (0.9) 国内生産 輸入丸太 4,329(27.4) 国内製材 15,821 (59.4) 製材工場 販売会社 (65.2) 国産材 11,492 (72.6) (8.9※) • 製材工場からの直販ではあるが、素材生産業者から直販されたものではない。

  24. 森林から住宅への木材の流れ 海外 プレカット工場

  25. <プレカット材の普及> 平成21(2009)年には、プレカット材を利用した木造軸組工法住宅の割合は86%に達している。このようなプレカット材の普及に伴い、寸法安定性の優れた乾燥材(後述の通り、輸入製材が多い:筆者加筆)や集成材への需要が高まっている。 <高温乾燥> 品質・性能の確かな木材製品に対する消費者ニーズの高まりにより、曲がりや狂い、割れが起きにくい乾燥材の供給拡大が求められている。 近年、乾燥技術の向上や大規模な国産材製材工場の増加等を背景として・・・増加している。しかしながら、建築用製材品に占める人工乾燥材の割合はいまだ3割程度にとどまっている(輸入製材を使用する原因となっている:筆者加筆)。 ※木材の繊維等が破壊され、柔軟性等木材の優れた性質が損なわれる懸念がある。 プレカット材の問題 林野庁『平成22年度 森林・林業白書』からの抜粋 http://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/22hakusyo_h/all/h50.html ※の行、及び、( )内は筆者が加筆。

  26. 高温乾燥とくんえん乾燥(3ヶ月天日) くんえん乾燥 + 3ヵ月天日乾燥材 高温乾燥材

  27. <集成材> 集成材は、寸法安定性に優れていることから、プレカット材の普及を背景に利用が広がっている。平成20(2008)年の木造軸組工法住宅の管柱における集成材のシェアは6割強に達している。 ※接着剤(化学物質)を多く使用することになる(健康にとって懸念)。 <原料は外材> 国内で生産された集成材の多くは、欧州や北米から輸入されたラミナを原料としている ※やはり国産材は使用されない。 集成材の健康等の問題 林野庁『平成22年度 森林・林業白書』からの抜粋 http://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/22hakusyo_h/all/h50.html ※の行、及び、( )内は筆者が加筆。

  28. 多少高くてもプレカット材に適した外材丸太が普及多少高くてもプレカット材に適した外材丸太が普及

  29. プレカット材を中心にする大きな業者

  30. 木材販売業者中心の中小建築業者

  31. 流通過程が長いほど最終財は高くなる!

  32. 購入する際、国産材が高くなる中小業者 【出所】全国建築労働組合総連合『工務店モニター調査 第15回結果報告』(2009年)

  33. 価格競争力がある大手業者と厳しい中小業者

  34. ペレカット中心の大手業者は生き残り、国産材中心の中小業者の多くが市場から退出ペレカット中心の大手業者は生き残り、国産材中心の中小業者の多くが市場から退出

  35. 森林から住宅への木材の流れ 競争が激化 ↓ 経済合理性が求められると 海外 大規模 プレカット工場 大規模建築業者 複雑な 木材流通経路 国産材 中小模建築業者

  36. JST天然住宅プロジェクト研究からの考察 Win-winの住宅づくりのために

  37. オルタナティブ(もう一つ)の流れ 新自由主義的(現在のメイン)な流れ:第1の流れ 海外 今まさに消えかけている流れ:第2の流れ しかし、この流れが日本の森林を支えている 複雑な 木材流通経路 国産材 森と街の直接連携:第3の流れ

  38. 第3の流れを可能にする認証制度 森と街の直接連携で考えている認証 ④山の管理の認証 ③居住性能認証 ②建築認証 ①素材等の認証 環境(騒音など) 居住性能 ・使用できる原材料 (素材認証を受けたもの) ・室内クオリティ <健康>   電磁波・有害ガス <原材料の安全性>   耐久・耐火   素材の物性 工務店 構法(基礎など) 山の管理 工場 (労働生産性) トレーサビリティ 木材 (品質) 木材を適正価格で買う

  39. 素材の認証 • 本当に日本の森林から? • 健康に悪いものは使ってない? • 居住性能の認証 • 化学物質等の問題はない? • 住まい手が快適に生活できる? • 建築の認証 • 健康に問題のある建材を使用していない? • 森林が持続可能な仕入れをしている? • 森林の認証 • 森林はしっかり管理されている? • 樹木に農薬等が使われていない? 何を認証するの?

  40. 直接連携の金銭的Win-win 複雑な 木材流通経路 利益 流通コスト 3 流通コスト 利益 2 2 採算 ライン 木材価格 木材価格 木材価格 1 1 1 木材価格 木材価格 木材価格 木材価格 木材価格 木材価格 後 前 前 前 後 後

  41. 直接連携の環境的win-win • 森林が管理されることで炭素吸収量が増加。 • 山崩れ等の災害も減少する。 • 住まい手の健康が保たれる。 • 長寿命住宅なので炭素貯蔵効果も高まる。

  42. 新築着工統計等からの分析 「地産地消」も必要だが、山と“都会”を結ぶことが必要な訳

  43. 前ページのグラフでは一つの図形で床面積の時系列変化を表している。前ページのグラフでは一つの図形で床面積の時系列変化を表している。 統計上、平均値から±1σで全体の68%が含まれることになる。 次ページ以降の都道府県別に表れている図形の説明 Max 床面積 +1σ 変動の平均値 -1σ Min 年数

  44. 都道府県別の住宅1棟当たり床面積

  45. 都道府県別の住宅1棟当たり工事費

  46. 住宅1棟当たりの土地価格

  47. 都道府県別の住宅の建築数

  48. 7都府県とその他地域の住宅の建築数

  49. 研究報告のまとめと課題 おわりに

  50. 国産材が多く使用されることで素材産業が復興し、森林が整備されるには、既存の木材流通過程とは違う、オルタナティブなルートとして林業等と都市を直接連携させる事業スキームの存在が欠かせない点についてみてきた。国産材が多く使用されることで素材産業が復興し、森林が整備されるには、既存の木材流通過程とは違う、オルタナティブなルートとして林業等と都市を直接連携させる事業スキームの存在が欠かせない点についてみてきた。 このような事業スキームを早急に構築する必要があるが、実際に機能させるためには、そのためのルール作り(認証制度のような)の他、資金的な問題を解決するための金融制度等も必要になる。 また何よりも、当該事業スキームの建てる住宅が、住宅購入者に受け入れられなければならない。その意味で住宅需要者の選好についても研究が必要である。これらの点については今後の課題としたい。 まとめ

More Related