1 / 38

心の健康づくりについて -講義編-

(職員用). 心の健康づくりについて -講義編-. 人事院職員福祉局. 心の健康に関して各職員に 理解が求められること. 心の健康に関する正しい知識を持つとともに、職場の心の健康づくりの必要性を認識. 1 心の健康づくりの必要性 2 ストレスについて 3 ストレスによる心身の不調への気付き 4 職員の心の健康づくりのために 5 ストレスにうまく対処するために 6 自殺防止に関する対応 7 職場で起こり得る主な心の不調. ・心身の不調を自覚することが重要 ・周囲の職員の不調な状態のサインを理解. ・心の病気への偏見をなくす。うつ病等は誰でもなりうる

Télécharger la présentation

心の健康づくりについて -講義編-

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. (職員用) 心の健康づくりについて-講義編- 人事院職員福祉局

  2. 心の健康に関して各職員に理解が求められること心の健康に関して各職員に理解が求められること 心の健康に関する正しい知識を持つとともに、職場の心の健康づくりの必要性を認識 1 心の健康づくりの必要性 2 ストレスについて 3 ストレスによる心身の不調への気付き 4 職員の心の健康づくりのために 5 ストレスにうまく対処するために 6 自殺防止に関する対応 7 職場で起こり得る主な心の不調 ・心身の不調を自覚することが重要 ・周囲の職員の不調な状態のサインを理解 ・心の病気への偏見をなくす。うつ病等は誰でもなりうる ・心身の不調を感じた場合、上司や相談窓口に相談 ストレスがかかったとき、心身の不調を来さないための方法

  3. 1 心の健康づくりの必要性

  4. 国家公務員法及び人事院規則 国家公務員法第71条 能率の根本基準 職員の能率は、充分に発揮され、且つ、その増進がはかられなければならない。      同      第98条 法令及び上司の命令に従う義務 職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。 人事院規則10-4第3条 各省各庁の長の責務 各省各庁の長は、法及び規則の定めるところに従い、それぞれ所属の職員の健康の保持増進及び安全の確保に必要な措置を講じなければならない。        同        第4条 職員の責務 職員は、その所属の各省各庁の長その他の関係者が法及び規則の規定に基づいて講ずる健康の保持増進及び安全の確保のための措置に従わなければならない。

  5. 2 ストレスについて

  6. ストレス要因(ストレッサー)と心身の健康の関係についてストレス要因(ストレッサー)と心身の健康の関係について 個人要因 仕事上のストレッサー ストレス反応 疾患 仕事外のストレッサー (強い場合) 緩衝要因 職場不適応 (米国国立職業安全保健研究所(NIOSH)提唱モデルを一部改編)

  7. 身近なストレス要因の例 ○仕事上:長時間勤務 過重な心理的負荷のかかる勤務 上司、同僚、部下との人間関係の悪化 異動による勤務環境の変化  など ○仕事外(家庭や個人):経済的問題                 職員又は家族の健康                 家庭内の人間関係                 家族の介護                 子の教育、進路  など ○適度なストレスは、よりよい人生を送るスパイスという面もある。

  8. ①身体:虚血性心疾患、高血圧及びがんの危険因子の増大、全身倦怠感、消化不良、頭痛、筋緊張など①身体:虚血性心疾患、高血圧及びがんの危険因子の増大、全身倦怠感、消化不良、頭痛、筋緊張など ②心理:集中力の低下、思考の混乱、記憶力・判断力の低下、意思決定の困難、消極的な考えなど ③感情:緊張、不安、ゆううつな気分、自信・自尊心の低下、いらだち、意欲低下など ④行動:引きこもり、喫煙・飲酒の増加、睡眠困難、ミス・事故の増加など ストレス反応とは 1 ストレスにより起こる心と身体の様々 な反応である。2 心身の変化により、3つの段階がある。 3 ストレスが強かったり持続することで、 心身に障害や症状が現れることがある。  (ストレス関連疾患) <危険信号が体から発せられる時期(警告期)>   疲れ、いらいら、肩こり、ミスや事故が多くなる、血圧変動などを感じ、経験する。 <疲れがたまった感じが強く、それが興奮又は脱力感に陥る時期(ストレスに反発・抵抗する時期)>   仕事を抱え込む、休まなくなる、血圧変調、消化器・循環器異常など <踏ん張りが効かなくなり、自分の力ではどうしようもなくなる時期(疲弊期)>   集中力がなくなる、おっくうで何もする気が起こらなくなるなど。この時期になると心身症、うつ状態、うつ病へ移行していく可能性が強くなるため、この時期に移行しないうちに、早めの対応が必要である。

  9. 3 ストレスによる心身の不調への気付き

  10. 自らのストレスへの気付き なかなか眠れない、早朝に目が覚める、1度目が覚めると眠れないなど ○ 次のような症状が持続する。  ① 十分な睡眠がとれない。  ② 頭痛、倦怠感、肩こり、目が疲れやす   いなどの体調の悪さがある。     ③ いらいらした感じがある。  ④ 今まで興味のあったことに関心を失う。  ⑤ 気分が落ち込み楽しくない。  ⑥ 不安な気持ちや緊張感が強い。                         など 頭重感、食欲不振、吐き気、動悸、息切れなど 悩みや心配事が頭から離れない、漫然と落ち着かない、何をやっても失敗するなど

  11. 職業性ストレス簡易調査票(例) 平成7~11年度労働省「作業関連疾患の予防に関する研究班」

  12. 個人のストレスチェック ○個人が利用でき、結果のアドバイスのあるストレスチェック票の例   ・職業性ストレス簡易調査票     東京医科大学衛生学公衆衛生学教室HP http://www.tokyo-med.ac.jp/ph/ts/index.html   (参考)  ○働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」 http://kokoro.mhlw.go.jp/  ○疲労蓄積度の自己チェックに活用できる表の例     ・労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト       厚生労働省HP http://www.mhlw.go.jp

  13. 周囲の職員が気が付くサイン ○ 日常と異なり、次のような状況が続く場合には  注意する。 1 仕 事 上:ミス、能率の低下、など 2 勤務態度:欠勤、遅刻、早退が増える、など 3 対人関係:孤立、口数の減少、いらだち、                飲酒による問題、など 4 原因不明の体調不良:          頭痛、倦怠感、肩こり、目の疲れ、          不眠、など

  14. 気付いた場合の対応 ○ 自ら気付いた場合  ①管理監督者、健康管理担当者等と相談する。  ② 職場の面接指導等を活用する。  ③職場内外の相談窓口を活用する。   ・自府省設置のもの   ・人事院こころの健康相談室   ・精神保健福祉センター  ④医療機関を受診する。  ⑤その他(家族、友人等への相談等) ○ 周囲の職員が気付いた場合   管理監督者、健康管理担当者等と相談する。なお、プライバシーの保護に配慮する。

  15. 4 職員の心の健康づくりの    ために

  16. 職員の心の健康づくりのための           基本的考え方職員の心の健康づくりのための           基本的考え方 ○ 心の病気は身近な人はもとより自分もかかりうるものである。    例えば、国民の5人に1人は一生のうちに次のどれかを経験するとされる。  ① うつ状態・うつ病  ② 神経症  ③ アルコール依存症等の精神に作用する物質による障   害 ○ 心の三つの状況に応じた対策が必要である。  ① 心が健康なとき ・・・・心の健康の保持増進   ② 心が不健康なとき・・・ 早期対応  ③ 回復したとき   ・・・・円滑な職場復帰と再発の防止 ○心の健康づくりは、心が健康な状態のときから行うことが必要。 ○職場内外におけるストレス要因の軽減・除去、勤務環境の向上、職員の心身の健康増進を図る必要がある。 ○職員はストレスへの対処方法を知り、ストレスに対する耐性を高めることが必要。 ○心が不健康な状態になったときは、治療など適切な対応を早期に実施することにより、早期回復が期待でき、仕事の遂行、同僚との関係等において、良い結果をもたらし、また再発の可能性も低下させる。 ○職員は日頃から早期対応の重要性を理解する。 ○職員は、回復状況、仕事の困難さ、職場の人間関係等について、管理監督者や健康管理医等に報告

  17. 心の健康づくりのために職員自らすべきこと 1 心の健康づくりの重要性を認識し、自己啓発に努める。 2 心身の健康の積極的な保持増進やストレスのコントロール等を行う。 3 良好な人間関係を作るように努める。 4 早期対応のため、職場の面接指導、相談窓口等を活用する。 5 一人で悩まず家族、同僚、管理監督者等に相談する。 研修や書籍等 自らにあったストレスの解消法等を身につける 職場のコミュニケーションを良くし、相談できる雰囲気を作る ○長時間勤務職員等への面接指導制度の活用 ○相談窓口、電話相談のサービスを理解・活用

  18. 職場のコミュニケーション・相互協力は心の健康と会社の業績の基礎職場のコミュニケーション・相互協力は心の健康と会社の業績の基礎 平成19年版国民生活白書から抜粋し作図。元データの出典は財団法人 社会経済生産性本部 (2006)および労働政策研究・研修機構(2004)。           川上憲人(東京大学教授)より提供 22

  19. 職場ストレスを減らすための「職場環境改善ヒント集」職場ストレスを減らすための「職場環境改善ヒント集」 「メンタルヘルスアクションチェックリスト」を改変

  20. 心の健康の保持増進のために 具体的には、以下に努めるよう配慮 ①睡眠、休養等による疲労回復 ②スポーツ等による適度の運動 ③バランスの良い規則正しい食生活 1 規則正しい生活を送り、心身の健康の積極的な保持増進を図る。 2 趣味を持つ、定期的に運動をするなど、自分にあったストレス解消法を身につける。 3 職場の面接指導等を活用する。 4 職場内外の相談窓口を活用する。 ○趣味、レクレーション等によりストレスを解消(飲酒は適量) ○ストレス対処行動、自律訓練法等を必要に応じ活用するが、適切に実施するためには専門家の助言、指導等を受ける

  21. 同僚から相談を受けた場合 1 十分時間を確保し、相手が安心して話せる場所で受ける。 2 悩みを正面から受け止め、真摯に、落ち着いて話を聞く。 3 安易な叱責、激励などにより、相手に精神的負担を増加させないようにする。 4 強いストレスがかかっていると考えられた場合、管理監督者、健康管理者等と相談する。 自らの気持ちが落ち着いていて、悩みを十分聞く余裕があるときに相談を受けるようにする。 気分転換の方法など、自らの経験に基づく助言が必ずしも有効でないことに留意 特にうつ病、うつ状態の場合は注意 ○一人で抱え込むことで自身の負担や早期対応の機会を逸することにもなりうるため、相手に、自分だけでは対応できなく、上司等に相談することを伝える。なお、プライバシーには十分配慮。

  22. うつ状態、うつ病などの場合の望ましくない対応例うつ状態、うつ病などの場合の望ましくない対応例 「気合いを入れて乗り切れ」「あなたにはこれから重要なポストが待っているはずだ」など 1 「頑張れ」など、激励をする。 2 「そんなことでどうする」など、批判がましいことを言う。 3 「気にしないことが大事」など、気分の問題にする。 4 「努力が足らない」など、努力の問題にする。 「自分の立場がわかっているのか」「将来のために今は辛抱すべきだ」「いつまでそんなことを言っているのだ」 「そんなの気の持ち方の問題だ」 など 「もっとしっかりしないと」など 5 その他 ① 「その話はともかくとして、○○の仕事はどうなった」など、話をはぐらかす。 ② レクリエーション、旅行などの気分転換を勧めることはかえって本人の精神的負担を増やすことがあるため注意する。会合に誘うことも同様である。

  23. 5 ストレスにうまく対処するために

  24. ストレスに強くなるために ○ 失敗や大切な人が亡くなったとき等、今はどうにも出来ない問題や葛藤、不満に対しては、そのことを誰かに話すこと。 ○ 聴いてもらうことによって悲しみや怒り、不満などが発散され、気持ちの整理や立て直しが出来るようになる。 雑用が多い、仕事がはかどらない、出費が多い等 問題点を整理し、解決のための情報を集め、選択肢と優先順位を考え、実際の状況にあった行動をとることが、最も健康的で病気予防につながる 1 日常の深刻でない苛立ちに対して、自分に合ったストレス解消法(趣味、スポーツ、レジャー、会食、雑談等)が有効 2 困難な問題に直面したときは、適切なストレス対処行動(①積極的な問題解決、②気持ちの処理、③発想の転換(プラス思考)、④社会的支援(相談、精神的・物質的支援など)、⑤上手に断る・頼む・注意する)をとる 3 良いライフスタイルと仕事や生活への満足感の向上(①食事、睡眠、運動、休養のバランスが取れている。②生活目標、報酬や評価、自分の存在意義があること) 4 自分をプラスに評価すること 日常の仕事、良い点を積極的に評価 5 その他 リラクセーション、座禅など 難しい問題に直面したとき、一人で抱え込まず、上司や同僚、家族・友人に相談したり、社会的支援を求めること 依頼を受けたとき、時間的・能力的に余裕がない場合は、出来ないのに仕事を引き受けることのないよう、上手に断ることや自分の考えを述べることが大切 ○ 嫌々行動したり、いつまでも不運を嘆くより、「この問題を解決すれば成長できる」「難しいからやりがいがある」 など、プラス思考への発想転換が重要。 ○ また、信頼できる人に話すことで気持ちが整理され、状況の見直しを受け入れ、発想の転換が促進される。 中央労働災害防止協会「こころのリスクマネジメント<勤労者向け>」より一部改変 自己評価の低い人は、毎日の仕事をこなしていること、組織の一員として役割を果たしていることなど、当たり前と思われていることも積極的に評価することによって、また、達成できそうな目標を設定し、一つ一つ達成していくことで自己評価を高めること

  25. ストレスを小さくする考え方 全か無か思考 一般化のしすぎ・心のフィルター・マイナス化思考・拡大解釈と過小評価・感情的決めつけ・レッテル貼り  ○○できないなんて、自分はなんてダメなんだ  また怒られた。いつも怒られてばかりだ  みんな私のことをダメ人間と思っているに違いない。上司はきっと私が嫌いなんだ  上司に怒られた。クビになったらどうしよう  上司なんだからみんなの前で怒鳴るべきじゃない。冷静に指摘するべきだ  失敗したのは全て自分のせい デビッド・D・バーンズの認知の歪みを参考 心の読み過ぎ 先読みの誤り すべき思考 個人化

  26. ストレスを小さくする考え方 全か無か思考 この世の中に「完全」ということは存在しがたい 一般化のしすぎ・心のフィルター・マイナス化思考・拡大解釈と過小評価・感情的決めつけ・レッテル貼り 一度や二度の失敗でくよくよするな。冷静になって考えてみよう  ○○できないなんて、自分はなんてダメなんだ →○○はできなかったけど他のことまでダメじゃない。△△までは良かったんだ。  また怒られた。いつも怒られてばかりだ →本当にいつも怒られてばかりなのか。褒められたこともあった。  みんな私のことをダメ人間と思っているに違いない。上司はきっと私が嫌いなんだ →本人から聞いたわけでもないし、決めつけはやめよう。  上司に怒られた。クビになったらどうしよう →どこがいけなかったか聞いてみよう。みんなにも相談してみよう。  上司なんだからみんなの前で怒鳴るべきじゃない。冷静に指摘するべきだ →でも、ときには怒鳴ることもあり得るな。たまたま機嫌が悪かったんだな。  失敗したのは全て自分のせい →自分が与える影響は限られている。他にも原因があった。デビッド・D・バーンズの認知の歪みを参考 心の読み過ぎ 証拠のない決めつけはやめよう 先読みの誤り 何か備えておくことはないかと考える すべき思考 「~だといいな」「~でないこともあり得るな」と考える 個人化 何でも自分の責任と考えるより、解決策を考える

  27. ストレスにうまく対処するために 1 ストレス要因をリストアップ [優先順位を付ける] ※ 優先度の判断基準: ①対処の必要性  ②緊急性  ③対処の可能性  ④類似経験の有無  ⑤サポートの入手可能性  ⑥持続性 2 優先順位の高いストレス要因への対処方法をリストアップ 3 対処方法の実行 島津明人東京大学准教授「じょうずなストレス対処のためのトレーニングブック」より一部抜粋

  28. ストレスにうまく対処するために 1 ストレス要因をリストアップ 2 優先順位の高いストレス要因への対処方法をリストアップ ※ 留意点:①類似経験の有無とそのときの対処方法         ②同じような問題を経験している人の対処方法 (1)対処方法の長所・短所の検討(「代表的な対処方法の特徴等」を参考) (2)対処方法の絞り込み ※ ポイント:①実行に要する時間・労力の程度          ②日常生活への影響          ③問題解決への貢献度          ④苦痛緩和への貢献度 ※ ポイント:①自信のある方法から実行          ②似た方法を用いている人を観察し、まねる          ③リハーサルの実施 3 対処方法の実行 島津明人東京大学准教授「じょうずなストレス対処のためのトレーニングブック」より一部抜粋

  29. 代表的な対処方法の特徴等 島津明人東京大学准教授「じょうずなストレス対処のためのトレーニングブック」より一部抜粋

  30. ストレスへの具体的対処事例 積極的に解決を図る ・現実的で無理のない計画を立て、優先順位の高いものから片付ける。 ・チームで仕事を分担するようにする。早目に人にお願いする。 ・仕事の方向性を上司に確認しながら、無駄なく進める。 ・問題が起きないよう、十分根回しをしておく。 ・家に帰ったら仕事のことを忘れるようにする。休みの日は社外の友人と過ごすなど、仕事と関係ないプライベートな時間を楽しむ。 ・疲れがたまってきたら休暇を取る。 ・お酒を飲んでリラックスする。美味しいものを食べる。よく寝る。 ・上司、同僚、健康管理医等に相談する。友人に愚痴を言う。 ・手一杯なときは仕事を受けない。又は調整を試みる。 ・忙しいのは月末までなので、それまで頑張る。 ・異動や組織替えを期待して待つ。 ・適切な表現力を身につける。 ・イライラしないよう又はあきらめて考えないようにする。 問題から離れる 周囲に相談する 解決を見送る 行動や感情を抑える

  31. 6 自殺防止に関する対応

  32. 自殺との関連がみられる状況 仕事上、人間関係、家庭内や個人が抱える悩み、また、うつ状態・うつ病などの精神疾患などがある。また、ある人にとっては何でもないことが、ストレスへのもろさ、問題に対処する能力の違いなどから原因となることがある。 1 自殺の原因は様々である。 2 特に自殺との関連がみられる状況には次が挙げられ、留意する必要がある。  ・ 仕事上のストレス、家族や個人の      ストレスが深刻なとき   ・ 精神障害が背後にあるとき ①長時間・過重な勤務、②上司、部下等との関係、③転勤・単身赴任に伴う変化、④昇任による責任増大 ①経済的問題、②本人又は家族の健康、③親子、夫婦等家庭内の人間関係、④家族介護、⑤子の教育、進路 自殺者の多くが何らかの精神疾患にかかっているとの報告があり、早期の段階で発見して、適切に治療することにより、自殺防止を図ることができる可能性がある

  33. 自殺との関連がみられる状況 にある職員への対応の留意点 1 状況の変化の気付き  ① 言動の変化を見落とさないようにする。  ② 状況の把握に努め、必要に応じ勤務環境等 に配慮する。 2 職場で留意すべき点 ① うつ状態、うつ病で治療中の職員に対しては、 精神的負担を増加させないよう配慮する。 ② 相談対応を適切に行う。 3 職員が精神的に危機的な状態(危険な状態)であると感じた場合は、管理監督者、健康管理者に連絡し、相談する。 積極的に話しかけ、真摯に悩み等を聴き 飲食の会合、運動・レクリエーション、外出、レジャーに安易に誘うことは避ける。また、職員の出張については、専門家の意見を聞く。 特にうつ状態、うつ病の職員には安易な激励、叱責等を行わないよう注意。

  34. 自殺までには長いプロセスを経て、すでに準備状態が固定化してくることが多い。自殺までには長いプロセスを経て、すでに準備状態が固定化してくることが多い。 ○直接の契機は、些細なものに思える出来事である場合が多い。  ○強いストレス、疲労がある場合には、うつ病等の症状を示さないこともある。 ○危険な状態になる誘因として、周囲からのサポートを失う、失ったと感じることがある。  (例)①信頼する上司・同僚・主治医の異動、②本人の異動、③近親者・友人の死亡 危険な状態にある職員への対応 ①感情の不安定:いらいらする、突然涙ぐむ ②性格の変化:自ら周囲より孤立していく、投げやりな態度が目立つ ③様々な身体的不調の訴え(特に内科等を受診していながら不調が改善されない場合は要注意):不眠、頭痛、食欲不振、めまい、しびれ、動悸、息苦しさ 1 危険な状態とは   自殺との関連がみられる状況にある職員に   何らかの言動の変化が現れたとき 2 言動の変化とは   自殺をほのめかす、唐突に辞表を提出する、唐突に異動を申し出る、など 3 管理監督者、健康管理者に連絡、相談する。また、一人にしないように注意する。 ①引きこもりがち、②関心のあったことへの興味喪失、③多量飲酒(飲酒しない者が眠れないために飲酒するようになった場合は要注意)、④飲酒運転等重大な事故につながる行動の繰り返し、⑤大切にしていたものの整理・誰かにあげる、⑥自殺をほのめかす、自殺について話す (1)気分、体調の変化 (2)行動の変化 (3)職場における変化 ①身なりに構わない、②唐突な辞表の提出、唐突な異動希望の申し出、③遅刻・欠勤が多くなる、④仕事の速度が落ち出来も悪くなる、注意力がなくなる 危険な状態である可能性がある場合は、管理監督者、健康管理者に連絡

  35. 7 職場で起こり得る主な 心の不調

  36. 職場で起こり得る主な心の不調 ①発症にストレスの影響が大きい。 ②約15人に1人の割合でかかり、4分の3は治療を受けていないといわれている。 1 うつ状態、うつ病  憂うつな気分、興味・喜びの喪失などが持続し、日常生活に支障が現れるまでになった状態である。 2 心身症  ストレスにより身体に症状が現れる病気である。 3 不安障害(神経症)  不安な気持ちが生じ、それをコントロールできにくくなった状態である。 ③心と身体の様々な症状が現れる。できるだけ早期に対応することが重要。 ①身体的原因やはっきりした理由はみつからない。 ②症状は多彩で様々(パニック障害、全般性不安障害、強迫性障害、急性ストレス反応)

  37. 治療により、発症前と同等の職務を期待できる例が多い。治療により、発症前と同等の職務を期待できる例が多い。 4 アルコール依存症 アルコールを過量、習慣的に飲むことを止められなくなり、そのことにより心及び身体に様々な症状が生じている状態である。 5 統合失調症 主な症状として、存在しない声や音が聞こえる幻聴、あり得ないことを信じてしまう妄想、頭の中がまとまらなくなる思考障害等がある。 (1)比較的若い世代(10~40代)に起きやすい。 (2)①陽性症状:幻聴、妄想、興奮症状、②陰性症状:意欲の低下、自閉症状、感情鈍麻、③解体症状:混乱して考えがまとまらない (3)本人が発病を自覚できず、周囲と問題を起こす可能性があり、迅速な対応を要する。

More Related