360 likes | 855 Vues
電子計測 講義. (第7巻). 3年次前期2単位選択 担当: 玉野 和保. 単元14(1/29). 第14単元 センサーの概要. 講義で話したいこと. 電子計測とセンサーの関係. センサーと信号処理. 各種のセンサーの構造と応用. 単元15(1/26). 第15単元 高周波領域での計測. 講義で話したいこと. 高周波の特異性. 周波数領域における高周波の位置付け 高周波計測のニーズ. 分布定数回路. 分布定数線路の特性方程式 電圧・電流の反射とインピーダンス. 高周波特性の測定. 伝播定数、定在波比、インピーダンスの測定 スミスチャートの利用.
E N D
電子計測 講義 (第7巻) 3年次前期2単位選択 担当: 玉野 和保
単元14(1/29) 第14単元 センサーの概要 講義で話したいこと 電子計測とセンサーの関係 センサーと信号処理 各種のセンサーの構造と応用
単元15(1/26) 第15単元 高周波領域での計測 講義で話したいこと 高周波の特異性 周波数領域における高周波の位置付け 高周波計測のニーズ 分布定数回路 分布定数線路の特性方程式 電圧・電流の反射とインピーダンス 高周波特性の測定 伝播定数、定在波比、インピーダンスの測定 スミスチャートの利用
単元15(2/26) 高周波の特異性 周波数領域における定義 およそ100[MHz]以上のサブミリ波まで VHF領域~EHF領域 線路の分布定数要素が 回路要素として無視できない周波数領域 LRCが連続分布した伝送線路 伝送信号が線路上で波動の性質を現す
単元15(3/26) 高周波計測のニーズ • 高密度信号伝送: ディジタル画像伝送(ディジタルTV放送) 多重通信 インターネット網 • マイクロ波伝送 電話回線網 • 衛星通信、移動体通信 • 伝送路の設計、設置、運用: 周波数、伝送路の減衰率、特性インピーダンス、インピーダンスマッチングの計測 • 通信機器の設計、設置、運用: 周波数、増幅率、電磁波放射、特性インピーダンス計測など
単元15(4/26) 講義で話したいこと 高周波の特異性 周波数領域における高周波の位置付け 高周波計測のニーズ 分布定数回路 分布定数線路の特性方程式 電圧・電流の反射とインピーダンス 高周波特性の測定 伝播定数、定在波比、インピーダンスの測定 スミスチャートの利用
単元15(5/26) 分布定数回路 Z[Ω/m] Y[S/m] Δx 基礎方程式
単元15(6/26) 基礎方程式 電信方程式とも呼ばれる 線路方程式 方程式の解 これを上式に代入し、 Iを求める
単元15(7/26) 線路方程式の意味 Z0: 特性インピーダンス 波動インピーダンス γ: 伝搬定数 γ=α+jβ α: 減衰定数 β: 位相定数 式中のA、Bは電圧の大きさを表す量で、時間の関数 また、大きさは線路の境界条件で定まる。
単元15(8/26) 線路の特性インピーダンス 平行2線線路の場合 r=1mm、d=10mmのとき、 Z0≒276Ω ← ほぼ真空の特性インピーダンス
単元15(9/26) 線路の特性インピーダンス 同軸線路の場合 r2=2mm、r1=7mm、εs=1、 μs=1のとき、 Z0≒78Ω
単元15(10/26) 真空の特性インピーダンス Z0: 特性インピーダンス 波動インピーダンス 真空中のZ0はおよそ300[Ω]なので、TVのアンテナ、フィーダ線(平行2線導線)のZ0も300[Ω]に合わせている。
単元15(11/26) 講義で話したいこと 高周波の特異性 周波数領域における高周波の位置付け 高周波計測のニーズ 分布定数回路 分布定数線路の特性方程式 電圧・電流の反射とインピーダンス 高周波特性の測定 伝播定数、定在波比、インピーダンスの測定 スミスチャートの利用
単元15(12/26) 分布定数線路送端から見た電圧・電流の進行と反射 送端部での条件から伝送波を表す 反射波 進行波
単元15(13/26) 分布定数線路受端から見た電圧・電流の進行と反射 受端部での条件から伝送波を表す 反射波 進行波
単元15(14/26) 反射係数 定義: 受端での(後退波/入射波)比 電圧の場合 電流の場合
単元15(14/26) 反射係数 定義: 受端での(後退波/入射波)比 電流は電圧と逆に、符号が反転して反射する 電圧の場合 電流の場合 受端のインピーダンスZL=Z0のとき、無反射 これをインピーダンスマッチングと呼ぶ
単元15(15/26) 受端短絡時の送端インピーダンス VL=0として、V(x=0)/I(x=0)=ZShort Z0は純抵抗で、ZShortはLによって符号が変化 すなわち、Lにより容量性や誘導性に変化
単元15(16/26) 受端解放時の送端インピーダンス IL=0として、V(x=0)/I(x=0)=ZOpen Z0は純抵抗で、ZOpenはLによって符号が変化 すなわち、Lにより容量性や誘導性に変化
単元15(17/26) 講義で話したいこと 高周波の特異性 周波数領域における高周波の位置付け 高周波計測のニーズ 分布定数回路 分布定数線路の特性方程式 電圧・電流の反射とインピーダンス 高周波特性の測定 伝播定数、定在波比、インピーダンスの測定 スミスチャートの利用
単元15(18/26) 特性インピーダンスと伝播定数の測定 • 受端短絡で、V(x=0)/I(x=0)=Zshortを測定 • 受端開放で、 V(x=0)/I(x=0)=ZOpenを測定 電圧電流の測定には、 熱線式、熱伝導式、あるいは真空管電圧計など、高周波電圧計、電流計が使用
単元15(19/26) 高周波の計測器 10MHz~1GHzの高周波の領域 電圧・電流 : 熱線式、熱伝導式、真空管電圧計など 高周波電圧計、電流計 マイクロ波領域 電圧・電流 : 鉱石検波器 電力 : サーミスタ、ボロメータ、カロリーメータ 定在波比 : スロットを設けた導波管+鉱石検波器 インピーダンス :定在波比より計算
単元15(20/26) 線路のインピーダンス測定法 • 測定に必要な要素: 定在波比Γ 伝播定数β • 測定のための計算法: スミスチャート
単元15(21/26) 定在波と定在波比 電圧の場合 線路の長さ、受端インピーダンスで 反射波が発生 入射波と合成され、定在波を生じる 電流の場合 定在波 シミュレーション (Push) 抵抗成分のない受端負荷の場合 定在波比(SWR)=定在波の ※通常は測定しやすい電圧の定在波比(VSWR)を使用 SWRから線路の特性を測定
単元15(22/26) スミスチャート(その1) ここでのインピーダンスは? 受端よりLでのインピーダンスZL の規格化値:ZNormal
単元15(23/26) スミスチャート(その2) 反射係数 電圧の場合 ただし
単元15(24/26) スミスチャート(その3)
単元15(25/26) スミスチャートによる線路インピーダンス計算事例 特性インピーダンスZ0=50[Ω] この線路に未知の負荷Zを接続 そのとき、 VSWR:Γ=0.5 受端短絡で計った電圧最小位置L L=0.175λ この線路の未知の負荷Zを求める 計算手順 (1)電源方向にL=0.175λ回転 中心から円の外へ線を引く (2)Γ=0.5の円との交点を求める (3)交点のrとxの値を読む
単元15(26/26) 参考書 14、15単元を作るに当たって、つぎの書物を引用させて頂きました。 ここに厚く御礼申し上げます。 • 菅博、玉野和保、井出英人、米沢良治:「電気・電子計測」、朝倉書店 • 電気学会編、高等学校工業科電気課程用:「電気計測」、電気学会 • 香西寛し:「大学課程マイクロ波工学」、オーム社 • 鈴木清:「マイクロ波回路の基礎」、啓学出版 • 野田健一、荒谷孝夫:「現代伝送工学概論」、オーム社