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非定常系としての海洋生態系の保全と管理 松田裕之(東大海洋研). 水産資源と水産業の現状分析 順応管理 adaptive management について 生態系管理について. 現状 (1) 多くの魚種はすでに獲りすぎ. Percentage of major marine fish resources in various phases of fishery development. http://www.fao.org/WAICENT/FAOINFO/FISHERY/publ/circular/c920/c920-1.htm. 現状 (2) とっくに頭打ちの底魚資源.
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非定常系としての海洋生態系の保全と管理 松田裕之(東大海洋研)非定常系としての海洋生態系の保全と管理 松田裕之(東大海洋研) • 水産資源と水産業の現状分析 • 順応管理adaptive managementについて • 生態系管理について
現状(1)多くの魚種はすでに獲りすぎ Percentage of major marine fish resources in various phases of fishery development http://www.fao.org/WAICENT/FAOINFO/FISHERY/publ/circular/c920/c920-1.htm
現状(2)とっくに頭打ちの底魚資源 http://www.fao.org/WAICENT/FAOINFO/FISHERY/publ/sofia/fig5e.htm
現状(3)まだまだ獲れる浮魚資源 http://www.fao.org/WAICENT/FAOINFO/FISHERY/publ/sofia/fig4e.htm
問題点魚種ごとの漁獲量は大きく変動 • 増えた魚を獲る • 魚種交替に備える • 子供を獲らず、大人を獲ること • 泳がせ捜査(成長乱獲) • 減った魚を保護すること • 種もみを残す(加入乱獲) • 選択性の高い漁業技術を開発すること
順応管理adaptive management(Holling 1978)の定着 • 不確実かつ変動する生態系・生物資源 • 新たな知見をもとに管理計画を修正 • 「説明」責任accountability • 状態(資源量)変化に応じた漁獲政策 • 順応性adaptability =田中昌一(1983)フィードバック管理(国際捕鯨委員会での提案) http://www.for.gov.bc.ca/hfp/amhome/AMDEFS.HTM
生態系管理Ecosystem Management(Christensenら1996, Ecol.Appl.を参考) • 持続可能性と生態系過程 • 数値目標と数理模型 • 開放系(景観)と期間の問題 • 非定常系と不均一性(遷移と撹乱) • 不確実性と非決定性(間接効果) • 順応性と「説明」責任、監視(monitoring) • 合意形成と危険性の周知(risk communication)
持続可能性(sustainability)生態系過程(ecosystem process) • 生物多様性(biodiversity)を守る最大の理由=次世代の人々に我々と同じ自然の豊かさを残しておくため • 希少種を独立に守るのではなく、生態系の働きを損なわないように保全(integrity)する
生態系から得られる自然の恵み • 品物goods=経済価値のある有用物commodity(農林水産物など) • 生態系のサービス(酸素・水浄化・老廃物分解など) • 快適さamenity =経済価値はないが自然に親しむこと(美しい花、木々の緑、虫の音、小鳥のさえずり)
非定常系(nonequilibrium system)と不均一性(heterogeneity) • 移りゆくものを守るという矛盾に挑む生態系管理 • 短期的にも長期的にも非定常(1年だけでは評価できない) • 生態系は、遷移(succession)と自然のかく乱による後戻りが織りなす不均一なモザイクである • Meta-population動態
生態系は開放系である • 景観(landscape, seascape)不均一なモザイクとして全体が維持される。 • 生態系間の物質、エネルギー、生物の交流により維持される。
不確実性(uncertainty)と予防原理(precautionary...) • 我々は、生態系のことを十分知っているわけではない。 • 大ざっぱな情報しかなければ、予防的な管理になりがち。 • 正確な情報を得れば、持続可能な収穫は上がるかも知れないが、詳しく調べるにはそれだけ金がかかる。
順応管理(adaptive management) • 将来、生態系の状況変化に応じて臨機応変に措置を変える適応可能性(adaptability) • 今までの知見や理論に足りない点が明らかになった場合、それを考えて計画を改める説明責任(accountability)
情報公開と危険性の周知(risk communication) • 長期かつ広域の監視(事後調査monitoring)は1時業者では限界があり、政府が基礎情報の収集に努め、公開すべき • 管理が失敗する恐れが全くないわけではないことを、予め説明し、受け入れてもらうべきである。