1 / 17

モデル授業 環境経済学入門

モデル授業 環境経済学入門. 早稲田大学社会科学部 赤尾健一. はじめに. テーマ:環境経済学のいくつかの話題を紹介 内容 環境と経済の複雑な関係 経済学の考える環境問題と環境政策 環境ゲーム: 共有地の悲劇と R&D 経済学=経済現象の理解と問題への処方箋 環境経済学 環境と経済の関係の理解と問題への処方箋. 環境と経済の複雑な関係. 経済が発展するにしたがって環境への負荷が増大する。 このようなタイプの環境問題:二酸化炭素排出・廃棄物. 環境と経済の複雑な関係 貧困・人口増加・環境劣化の悪循環.

katen
Télécharger la présentation

モデル授業 環境経済学入門

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. モデル授業環境経済学入門 早稲田大学社会科学部 赤尾健一

  2. はじめに • テーマ:環境経済学のいくつかの話題を紹介 • 内容 • 環境と経済の複雑な関係 • 経済学の考える環境問題と環境政策 • 環境ゲーム:共有地の悲劇とR&D • 経済学=経済現象の理解と問題への処方箋 • 環境経済学 環境と経済の関係の理解と問題への処方箋

  3. 環境と経済の複雑な関係 • 経済が発展するにしたがって環境への負荷が増大する。 • このようなタイプの環境問題:二酸化炭素排出・廃棄物

  4. 環境と経済の複雑な関係貧困・人口増加・環境劣化の悪循環環境と経済の複雑な関係貧困・人口増加・環境劣化の悪循環 United Nations Environmental Programme (2002) Global EnvironmentalOutlook 3, Earthscan, p.91.

  5. 環境と経済の複雑な関係貧困・人口増加・環境劣化の悪循環環境と経済の複雑な関係貧困・人口増加・環境劣化の悪循環 • 貧困であること • 生活の糧と生産手段の大半を環境資産(自然環境資源基盤;例:土壌、水、草地、森林)に依存(せざるを得ない)。 • 大人だけでなく子供もまた働かなければ、家族を養えない。 • 社会慣習 • 環境資産はムラの共有物であり、ムラの成員は一定の制約のもとで、それを自由に利用できる。 → いったん環境資産が劣化しはじめると… • 水不足、薪不足、土壌劣化等々(水、森林減少、砂漠化問題) • 生活の糧を得るのにより多くの労働力が必要になる。 • より多くの子=働き手をもとうとする。 • 結果:さらなる環境劣化・貧困に苦しむ人々の増加・いっそうの貧困 • この問題の詳細に関心のある人は次を参照 • Dasgupta, P. (1995) The population problem: theory and evidence. Journal of Economic Literature 33, 1879-1902.

  6. 環境と経済の複雑な関係環境クズネッツ仮説

  7. 環境クズネッツカーブ 環境の質 転換点 悪い 汚染のステージ 緑のステージ 一人当りGDP 良い 経済成長 環境と経済の複雑な関係環境クズネッツ仮説 • 各環境資産の質に対して、ある所得水準(一人当りGDPの水準)が存在し、経済がその水準以下のときは、経済成長とともに質は低下するが、さらに経済成長が進んでその水準を超えると、環境の質は改善される。

  8. 環境と経済の複雑な関係国際次元 • 炭素漏出問題(Carbon Leakage Problem) • A国の一方的な炭素排出規制=炭素集約財の供給減。 • その財の国際価格上昇→他国(B)でのその財の供給増。 • 数値例: • A国はその財1単位の生産に0.6tのCO2、B国は0.8tのCO2を排出する。 • A国での規制はA国の生産を1単位減少させ、B国は0.8単位生産を増加させる。 • CO2排出量の変化:0.6×(-1)+0.8×0.8=+0.04(t) • 環境と経済の関係はさまざま。 • このことが典型的に現われる問題 • 貿易と環境 • 自由貿易は経済発展をもたらす。が、...

  9. 環境と経済の複雑な関係国際次元 Grossman, G. M. and A. B. Krueger (1995) Economic Growth and the Environment, Quarterly Journal of Economics 110, 353-377.

  10. 経済学の考える環境問題と環境政策 • 効率性と衡平性 • パレート効率 • 他の誰も不幸にすることなく誰かをより幸せにできるならば、そうすることは望ましいことである。 • そうすること=パレート改善 • パレート改善をやりつくした状態=(パレート)効率的な状態 (他の誰かを悪くすることなしには、誰も今よりよくはなれない。) • 衡平性(平等、不平等の問題) • 誰がより幸せになるべきか? • 科学には答えられない価値観の問題。 • 効率性の実現を阻害するものとしての環境問題。 → 経済学的環境問題

  11. 社会が効率性を実現する仕組み • アダム スミスの見えざる手 • 彼は・・・公共の利益を推進しようと意図してもいないし、どれほど推進しているかを知っているわけでもない。彼はただ彼自身の安全だけを意図しているのであり、彼自身の儲けを意図しているのである。そして、彼はこのばあいにも、みえない手に導かれて、彼の意図のなかにまったくなかった目的を推進するようになるのである。自分自身の利益を追求することによって、彼はしばしば、実際に社会の利益を推進しようとするばあいよりも効果的に、それを推進する。( 『国富論』, 1776年初版, 水田洋監訳・杉山忠平訳、岩波文庫) • 市場メカニズム(価格による需給の調整) → 競争市場経済 • 行き着く先=競争均衡、市場均衡 Portrait Medallion of Adam Smith (1723-90) by James Tassie (National Galleries of Scotland)

  12. 効率性を実現し損なう仕組み • 厚生経済学の第一基本定理 • 競争均衡は効率的である。 • 私的利益と社会の利益が一致しているとき。 • そのためには、全ての財・サービスは価格づけられ、誰かの所有物でなければならない。 • 環境が提供するサービス • 価格ゼロ、所有権は共有か曖昧。 • 市場の外を通って人々に影響する=外部性。 • 市場の失敗 • (環境)政策なしには競争均衡は効率的ではない。 はこの条件を満たさない。

  13. 環境政策 • 市場の機能を回復する方法 • 税・補助金:環境サービスを考慮した価格是正 • 炭素税:地球大気を利用することへの料金。 • 取引可能な排出許可証:所有権の確立 • 米国酸性雨プログラム • 大気を汚染する権利を許可証として購入する。 • 許可証発行量を超えて大気が汚染されることはない。 • どちらがよいか? • 理論上、競争市場経済では同じように機能する。 • 欧州では税が、米国では許可証が好まれている。 • 制度の政治的受容可能性の問題。

  14. 価格 社会的限界費用 需要曲線 私的限界費用 (供給曲線) 税率 汚染を伴う財の 生産量 許可証発行量 社会的最適生産量 環境政策 • 最適な税率、許可証発行量 • 社会的費用を評価するための諸テクニック • 環境の経済価値評価手法

  15. 環境ゲーム:共有地の悲劇とR&D • ゲーム:人々の関係が市場を介さない。 • 競争市場経済:人々は価格のみに反応する。 • ゲーム:他の人の行動・戦略に(も)反応する。 • 共有地の悲劇:共有資源の利用問題。 • 地球大気をめぐる国際交渉、公海上の漁場の利用、ムラの共有地(森林や放牧地)の利用 • R&Dゲーム:環境にやさしい技術の開発ゲーム • R&D=Research and Development • 政府が環境規制を実施するなら、技術開発は利益をもたらす。(政府と企業のゲーム) • 他社よりも先に開発に成功するか、あるいは最初から開発をあきらめるか。(企業間ゲーム)

  16. ゲームの例: 環境保全をする/しない • 環境規制をする/しない • 仮定: 2a>b+d>2c,(する,する)が社会的に望ましい。 • a-b<0<c-d:囚人のジレンマゲーム • a-b>0かつc-d>0:協調ゲーム • a-b<0かつc-d<0:タカ・ハトゲーム 自分の利得 相手 する しない する しない a d b c 自分 環境ゲーム:共有地の悲劇とR&D • a-b>0>c-dならば望ましい状態(する,する)が実現。 • 囚人のジレンマ:確実に(しない,しない)が選ばれる。 • 協調: (する,する)と (しない,しない)のどちらが選ばれるか不明。 • タカ・ハト:確率pでする、1-pでしないを選ぶ。

  17. おわりに

More Related