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弦の場の理論による 不安定 D-brane 系の動的記述

弦の場の理論による 不安定 D-brane 系の動的記述. 京都大学 大学院  人間・環境学研究科 人間・環境学専攻 阪上研究室 博士課程  小林 晋平. 博士論文公聴会 2004 年 1 月 23 日. 目次. 導入と動機 弦理論とは HIKKO 型閉弦の場の理論 ソース項を持つ閉弦の場の理論 結果とまとめ 今後の展望. 1.導入と動機. 宇宙の創生   宇宙はどうやって誕生したのか? 構造の形成   プランクスケールで何が起きたのか? 物質の構成   宇宙全体に存在する物質の 10 %しかわかっていない   → 超弦理論を用いて

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弦の場の理論による 不安定 D-brane 系の動的記述

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  1. 弦の場の理論による不安定D-brane系の動的記述弦の場の理論による不安定D-brane系の動的記述 京都大学 大学院  人間・環境学研究科 人間・環境学専攻 阪上研究室 博士課程  小林 晋平 博士論文公聴会 2004年1月23日

  2. 目次 • 導入と動機 • 弦理論とは • HIKKO型閉弦の場の理論 • ソース項を持つ閉弦の場の理論 • 結果とまとめ • 今後の展望

  3. 1.導入と動機 • 宇宙の創生   宇宙はどうやって誕生したのか? • 構造の形成   プランクスケールで何が起きたのか? • 物質の構成   宇宙全体に存在する物質の10%しかわかっていない   →超弦理論を用いて             これらの問題に取り組む

  4. 超弦理論とは? • 弦という「ひも」状の1次元物体を基本構成要素とするcf.) 量子力学/場の理論の点粒子的描像 • 開いた弦(開弦) と 閉じた弦(閉弦) の2種 • 弦の振動状態で各種粒子を表す

  5. 点粒子 閉弦 開弦 弦の長さのスケール (string scale  Planck scale(?) ) 遠方(低エネルギー)から観測すれば、 弦も点粒子に見える

  6. エネルギースケール

  7. 超弦理論の特徴 • 重力まで含めた統一理論の候補 • 4次元以上の高次元時空の存在を示唆 • ボゾン的弦理論では26次元 • 超弦理論では10次元 • D-braneのような高次元オブジェクトを内包 • 時空の非可換性を示唆 • 相対論的にも興味深い

  8. 超弦理論の問題点 • 摂動論しかわかっていない • 摂動的には無数の弦理論を定式化可能それぞれいろいろな場・チャージを持つどれが「真の」理論なのかわからない • 弦同士の相互作用の仕方がわからない不安定な系・時間依存する系が扱えない • 低エネルギー部分の効果しかわからない 完全な作用がないことが大きい • 今のところ何も予言していない数学的な整合性にのみ立脚

  9. 摂動的超弦理論のいろいろ

  10. D-braneの発見(Polchinski, ’94) • 弦理論の非摂動的効果を表す物体 • RRチャージを持つ • 開弦の端点がくっつく領域 • その上にゲージ場が住む • 空間p次元に広がっているとき、Dp-braneという IIA型超弦理論・・・D(2p)-braneが安定に存在IIB型超弦理論・・・D(2p+1)-braneが安定に存在 • 各種摂動的超弦理論の間の双対性の発見に役立った

  11. 開弦が励起 端点がくっつく 閉弦を放出 閉弦のソース D-brane T-dual, S-dual などの操作→ 別の摂動論のD-braneへ   → 別の摂動的超弦理論へ移行

  12. IIB型 超弦理論 E8E8 ヘテロ型 超弦理論 IIA型 超弦理論 M理論 ? SO(32) ヘテロ型 超弦理論 I型 超弦理論 T双対性 コンパクト化 T双対性 T双対性 S双対性 D-braneの研究を通じ、 各種摂動的超弦理論の間に双対性を発見 → 非摂動的弦理論の存在を示唆

  13. D-braneからわかったこと • 各種摂動的超弦理論の間に双対性 • AdS/CFT対応 • D-brane上のゲージ場とD-brane周りの時空に対応関係がある これらの解析は全て BPS状態の(安定な)D-brane                     に限られている

  14. D-braneと重力系 • D-brane系は重力系への応用として面白い • D3-braneは4次元時空 (空間3次元) • 我々の宇宙? • D-braneとblack p-brane • D-braneを低エネルギー近似 →ブラックホールと同じ計量 →D-braneでブラックホールが記述出来る?

  15. 不安定なD-brane系 • 重力系はほとんどが不安定で動的 • これまで理解されているのは安定なD-brane系のみしかし、不安定で動的なD-brane系も存在      →重力系へ応用出来る

  16. 不安定なD-brane系 • 不安定なD-brane系の例 (1) • 非BPS状態D-brane (チャージのないD-brane) 閉弦を放出 D-braneが崩壊 真空に遷移

  17. 不安定なD-brane系 • 不安定なD-brane系の例(2) • D/D-brane系互いに逆符号のチャージをもつ2枚のD-brane ¯ 互いに引き合う 消滅

  18. 不安定なD-brane系の応用 • 相対論・宇宙論的観点 • D-brane インフレーション(Dvali et al., Alexander et al., …) • Ekpyrotic 宇宙(Khoury et al., …) cf.) ブレーンワールド(S.K. & Koyama, and too many authors!) • タキオン宇宙論(Gibbons, Mukohyama, …) • (ブラックホールの蒸発)

  19. 不安定なD-brane系の応用 • 素粒子論的観点 • 時間依存性のある時空上での弦理論の定式化 • タキオン凝縮 (A.Sen, …)弦の相互作用の構造理解 非摂動的弦理論の構築

  20. ここまでのまとめ • 重力系で、高エネルギー領域を解析するには弦理論が必要 • 弦理論は未完成 (摂動論のみ完成) • D-braneは弦理論の重要な構成要素 • 不安定D-brane系の研究は弦理論の非摂動的効果や相互作用の性質を明らかにすることにつながる • 不安定・動的なD-braneは重力系に応用可  不安定D-brane系の記述・解析が重要

  21. D-braneの崩壊過程や生成などのダイナミクスを記述することでこれらの問題を解明するD-braneの崩壊過程や生成などのダイナミクスを記述することでこれらの問題を解明する 閉弦の場の理論 (Closed String Field Theory) を用いる 従来の(超)弦理論での 解析を超える目的のために・・・

  22. なぜならば・・・ • 相互作用が本質的な役割を果たすので、弦の場の理論が必要になる(弦理論は弦の一体系、on-shellしか扱えない) • 宇宙論、BHなどとの関連を見越し、重力子を含む閉弦を考える • 超重力理論に含まれていない、弦のmassive modeの効果も取り入れたい(低エネルギーに限らない解析を試みる)

  23. 戦術 • 閉弦の場の理論 • HIKKO型 (Hata,Itoh,Kugo,Kunitomo & Ogawa, ’86) • Witten型 など • 相互作用が単純なことからHIKKO型を選ぶ議論は型に依らないようにする • ソースを閉弦の場の理論に付け加える ・・・ ソースがD-braneの一般化宇宙論・相対論では馴染み深いテクニック

  24. 戦略 • 不安定D-braneを動的に記述する方法の開発 • 弦理論の相互作用の理解 • 非摂動的弦理論の開発 • 弦理論による重力の理解⇒超弦理論的宇宙論の構築

  25. 本研究のまとめと結果 • 動的なD-braneのような一般的なソースを、閉弦の場の理論で扱うための形式を構築 • 理論の対称性から、ソースが従うべき拘束条件を導いた • 拘束条件が低エネルギー理論における「エネルギー・運動量テンソルの共変保存則」に対応することを発見

  26. 2.弦理論とは • 作用・対称性・臨界次元・場 • Polyakov作用・共形対称性・26次元・X,b,c • BRST量子化 • BRST不変性から物理的状態が決まる • D-brane • 弦以外にも重要なオブジェクトがある

  27. 2.弦理論とは (1)~ 作用・対称性・場 ~ 1次元に広がった「ひも」状物体の古典的・量子論的運動を考えたい        (背景時空は平坦)cf.) 自由な相対論的点粒子の作用ds:微小な世界線 →粒子の世界線の長さが極値をとるように               運動が決まる

  28. X0 X0  = 0  =   = 2  = 2  = 1  = 1  = 0  = 0  = -1  = -1 Xi Xi 点粒子の 世界線 開いた弦の 世界面

  29. 自由な相対論的「ひも」(弦)の作用 • D次元の平坦な時空中を運動する弦 • 点粒子との類推→弦の世界「面」が作用になる→南部・後藤作用  →これが極小をとるように運動が決まる

  30. Polyakov作用 • 補助場として世界面の計量 abを導入→南部・後藤作用を書き直す

  31. Polyakov 作用の特徴 • 一般座標変換不変性時空の各点で座標変換可能 • Weyl変換不変性時空の各点でスケール変換可能     上記2つを使ってゲージ固定した後も   共形変換不変性がある

  32. ゲージ固定後の作用  • 座標をEuclideanにWick回転 • 複素座標を導入

  33. ゲージ固定後の作用 (つづき) • ゲージ固定することで、(b,c)-ghost が入るこれは共形対称性を持つ運動方程式を解き、解をモード展開→質量などの各スペクトルを調べる

  34. 共形対称性 (Conformal Symmetry) • 一般座標変換・Weyl変換後でも残る対称性 • z →z’ = f(z) という変換のもとで作用が不変 • 世界面をゴム膜のように自由に変形することが出来る • 弦理論の計算に共形場の理論が使える

  35. モード展開 ここで、

  36. 弦理論に現れる状態 • 第1量子化 重心の量子化 振動モードの量子化

  37. 弦の運動を表すのはPolyakov作用 • いくつかの対称性をもつ • 運動方程式を解く→解をモード展開して量子化→弦の状態を決めていく

  38. 2.弦理論とは (2)~BRST量子化~ • ゲージ固定した後の作用には、ゲージ不変性の名残りのBRST不変性がある →BRST変換  のもとで作用が不変

  39. BRSTカレントとチャージ • BRSTカレント • BRSTチャージ

  40. BRSTチャージの性質 • 冪零性 (nilpotency)BRSTチャージQBは、 を満たすただし、26次元のときのみ(超弦理論では10次元) • 物理的状態条件物理的状態|はBRST不変

  41. 物理的状態 BRST不変性を満たす閉弦の物理的状態の例 • 基底状態 (tachyon state) • 第1励起状態 (massless state)

  42. 閉弦と重力子 閉弦のmassless mode→時空中では2階のテンソル→重力子・B場・ディラトンに分解できる 重力子 B場 ディラトン

  43. BRST不変であることから、弦の物理的状態が決まるBRST不変であることから、弦の物理的状態が決まる • 閉じた弦(閉弦)のmassless modeには、重力を媒介する粒子(重力子:graviton)が含まれている

  44. 2.弦理論とは (3)~D-brane~ • 開弦 (open string) の端点がくっつく領域 閉弦 (closed string) のソース←これら2つの読み替えは共形対称性が  保証 • 空間p次元に広がっているとき、Dp-brane • 開弦・閉弦と並ぶ、弦理論の代表的配位

  45. 開弦での見方~D-brane~ D-brane X0 開弦 Xi X

  46. 閉弦での見方~境界状態~ 閉弦   D-brane (境界状態)

  47. 2章のまとめ • 平坦なD次元時空中を運動する弦の作用を考えた(南部・後藤作用 or Polyakov作用) • 弦が掃く世界面上の理論は、conformal対称性を持ったD個のスカラー場の理論 • ゲージ固定により、(b,c)-ghost という場も入る • 26次元(超弦理論なら10次元)のときのみ量子異常がなくなる。このときBRSTチャージは冪零性をもつ

  48. 2章のまとめ (つづき) • 物理的状態はBRST不変 Q|=0 • 閉弦のmassless mode には重力子(graviton)やディラトン(dilaton)が入る • D-braneと呼ばれる物体が存在D-braneは弦と並ぶ代表的配位理論の重要な構成要素 • 開弦の端点がくっつく領域 • 閉弦のソース(境界状態)

  49. 3.HIKKO型 閉弦の場の理論 • 記法弦理論と弦の場の理論の違い • HIKKO型閉弦の場の理論の作用 • HIKKO型閉弦の場の理論のBRST対称性

  50. 3.HIKKO型閉弦の場の理論 (1)~記法~ • モード展開

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