1 / 21

「小児急性中耳炎診療指針」 利用上の注意点

「小児急性中耳炎診療指針」 利用上の注意点. つちだ小児科 土田晋也. 今回発表の主旨. 日本の臨床医のための 「小児急性中耳炎診療指針」2つを紹介 ガイドライン利用上の注意点を自験例をもとに考察する. 「小児急性中耳炎診療ガイドライン」 (日本小児耳鼻咽喉科学会誌  27 : 71-107 、 2006 ). 日本の臨床医のための 小児急性中耳炎診療指針. 「抗菌薬適正使用ワ - キンググル - プ」 (外来小児科 8 : 57-84 、 2005). 小児耳 学会. 対象者. ワーキング グループ.

lawanda
Télécharger la présentation

「小児急性中耳炎診療指針」 利用上の注意点

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. 「小児急性中耳炎診療指針」利用上の注意点 つちだ小児科 土田晋也

  2. 今回発表の主旨 • 日本の臨床医のための「小児急性中耳炎診療指針」2つを紹介 • ガイドライン利用上の注意点を自験例をもとに考察する

  3. 「小児急性中耳炎診療ガイドライン」(日本小児耳鼻咽喉科学会誌 27:71-107、2006)「小児急性中耳炎診療ガイドライン」(日本小児耳鼻咽喉科学会誌 27:71-107、2006) 日本の臨床医のための小児急性中耳炎診療指針 「抗菌薬適正使用ワ-キンググル-プ」(外来小児科 8:57-84、2005)

  4. 小児耳学会 対象者 ワーキンググループ 正確な鼓膜所見の評価、鼓膜切開を含む耳処置を施行できる耳鼻咽喉科医 (マクロビューを使用している臨床医も含む) 小児急性中耳炎を診療する臨床医ならだれでも

  5. 小児耳学会 急性中耳炎の定義 ワーキンググループ 急性に発症した中耳の感染症 症状: 耳痛、発熱、耳漏を伴うことがある 鼓膜所見: 膨隆を重視 中耳貯留液+ 急性発症の症状や所見が1つ以上 症状: 耳痛、耳漏 (発熱は症状に含まず) 鼓膜所見: 著明な発赤・膨隆、水泡形成

  6. 重症度判定 小児耳学会 ワーキンググループ 鼓膜所見と症状で判定 年令→3才未満3点 耳痛→0, 1, 2点 発熱→0, 1, 2点 啼泣・不機嫌→0, 1点 鼓膜所見: 発赤→0, 2, 4点 膨隆→0, 4, 8点 耳漏→0, 4, 8点 発熱と年令で判定 (菌血症を含む中耳炎以外の細菌感染症を見逃さない) High Risk群→採血 WBC15,000(Neut≧10,000)   →「フォーカス不明の発熱」GLへ Low Risk群→経過観察 鼓膜所見: 軽視しているわけではないが急性中耳炎、滲出性中耳炎の判別は現実的には難しい 

  7. 治療方針 小児耳学会 ワーキンググループ 耐性菌を念頭においた治療選択が必要 第一選択薬:ペニシリン 投与期間:5日間 (原則)重症例を早い段階で見分け、切開排膿→抗菌薬 耐性菌をふやさないための抗菌薬使用制限が必要 第一選択薬:ペニシリン 投与期間:5日間 (原則)2、3日は対症療法のみによる経過観察

  8. ガイドライン利用上の注意点ー自験例をもとに考察するーガイドライン利用上の注意点ー自験例をもとに考察するー

  9. (Case1) 1才0ヶ月、男児、未入園感冒症状あり、耳痛・熱なし(Case1) 1才0ヶ月、男児、未入園感冒症状あり、耳痛・熱なし R L 8月8日 小児耳学会 ワーキンググループ 体温37.2℃ 鼓膜発赤(+) 鼓膜膨隆(++) 急性中耳炎 Low Risk群 経過観察のみ 体温37.2℃1点 鼓膜発赤 2点 鼓膜膨隆 8点 年令加算 3点 計14点=重症 AMPC高用量 +鼓膜切開 9月4日

  10. 利用上の注意点① 小児耳学会 ワーキンググループ 3才未満の急性中耳炎はほぼすべて 重症=抗菌薬+鼓膜切開になってしまう 高熱でなければ鼓膜所見にかかわらず経過観察 症状の改善があれば追加治療は不要

  11. (Case2) 1才5ヶ月、女児、園児感冒症状あり、耳痛・熱なし(Case2) 1才5ヶ月、女児、園児感冒症状あり、耳痛・熱なし 小児耳学会 ワーキンググループ R L 1月31日 体温36.8℃ 鼓膜発赤(+) 鼓膜膨隆(+) 滲出性中耳炎 経過観察のみ 体温36.8℃0点 鼓膜発赤 2点 鼓膜膨隆 4点 年令加算 3点 計9点=中等症 AMPC5日間投与

  12. 利用上の注意点② 小児耳学会 ワーキンググループ 3才未満は3点加算があるため、滲出性中耳炎であっても、中等症以上=抗菌薬の対象になってしまう 5日後に改善なければ追加治療も必要 高熱でなければ鼓膜所見にかかわらず経過観察 症状の改善があれば追加治療は不要

  13. (Case3) 1才6ヶ月、女児、未入園高熱2日目40.7℃、咳、鼻水あり、不機嫌なし(Case3) 1才6ヶ月、女児、未入園高熱2日目40.7℃、咳、鼻水あり、不機嫌なし 小児耳学会 R L ワーキンググループ 4月9日(月) 体温40.7℃ 鼓膜発赤(+) 鼓膜膨隆(++) 急性中耳炎 High Risk群 体温40.7℃2点 鼓膜発赤 2点 鼓膜膨隆 8点 年令加算 3点 計15点=重症 AMPC高用量 +鼓膜切開 採血 WBC19,200 CRP21.7mg/dl 血培、鼓膜穿刺して CTRX点滴静注 4月10日(火) 血培、穿刺液ともに  PSSP(+)、莢膜血清型 4型

  14. 利用上の注意点③ 小児耳学会 ワーキンググループ 急性中耳炎以外の疾患は除外されていることが前提 急性中耳炎以外の疾患も含むことが前提 High Risk群は「フォーカス不明の発熱(Dr.西村)」のガイドラインに従う 2次病院 医師のためのガイドライン プライマリ医師のためのガイドライン

  15. (Case4) 5ヶ月、男児、未入園昨夜から熱38.4℃ 咳・鼻水なし 活気なし(Case4) 5ヶ月、男児、未入園昨夜から熱38.4℃ 咳・鼻水なし 活気なし 小児耳学会 ワーキンググループ R L 11月6日 発熱38.4℃ 鼓膜発赤(+) 鼓膜膨隆(+) 滲出性中耳炎 経過観察  発熱38.4℃2点 不機嫌 1点 鼓膜発赤 2点 鼓膜膨隆 4点 年令加算 3点 計12点=重症 AMPC高用量 +鼓膜切開 採血 WBC13,700 CRP0.7mg/dl 検尿  膿尿、桿菌1×106/ml以上 尿培養 E.coli 1×106/ml以上 検尿

  16. 利用上の注意点④ 小児耳学会 ワーキンググループ 急性中耳炎以外の疾患は除外されていることが前提 急性中耳炎以外の疾患も含むことが前提 Low Risk群であっても除外しなければならない疾患はある、、、

  17. (Case5) 8ヶ月、女児、未入園昨夜熱38.3℃ 鼻水 昨夜夜泣きした(Case5) 8ヶ月、女児、未入園昨夜熱38.3℃ 鼻水 昨夜夜泣きした 小児耳学会 R L 11月1日 ワーキンググループ 発熱38.3℃ (受診時37.8℃)  鼓膜発赤(++) 鼓膜膨隆(++) 急性中耳炎 Low Risk群 経過観察 発熱38.3℃2点 (受診時37.8℃)  不機嫌 1点 鼓膜発赤 4点 鼓膜膨隆 8点 年令加算 3点 計16点=重症 AMPC高用量 +鼓膜切開 11月2日 解熱、夜泣きなし WBC13,600 CRP1.5mg/dl 11月7日 採血 WBC17,400 CRP1.0mg/dl AMPC60mg/kg

  18. 利用上の注意点⑤ 小児耳学会 ワーキンググループ 「鼓膜切開」しなくてもいいのでは? Low Risk群/急性中耳炎であっても、鼓膜所見が悪ければ、即日抗菌薬でいいのでは?

  19. (Case6) 3才5ヶ月、男児、園児昨日から耳痛、発熱  鼻水あり(Case6) 3才5ヶ月、男児、園児昨日から耳痛、発熱  鼻水あり 小児耳学会 R L 8月8日 ワーキンググループ 発熱38.1℃ 鼓膜発赤(+) 鼓膜膨隆(++)    膿胞あり 急性中耳炎 Low Risk群 経過観察 発熱38.1℃2点 耳痛 1点 鼓膜発赤 4点 鼓膜膨隆 8点 計15点=重症 AMPC高用量 +鼓膜切開 8月11日 8月9日 解熱、耳痛なし 8月11日 WBC3,600 CRP1.6mg/dl 採血 WBC11,900 CRP12.9mg/dl CTRX点滴静注

  20. 利用上の注意点⑥ 小児耳学会 ワーキンググループ ガイドラインどおり、鼓膜切開(→培養提出)も必要だったか? Low Risk群/急性中耳炎であっても、鼓膜所見が悪ければ、即日抗菌薬でいいのでは? 判断に迷ったら、 採血(WBC、CRP)

  21. まとめ • 耐性菌をキーワードにした、日本の臨床医のための「急性中耳炎診療指針」2つを紹介した • 小児耳学会GLは「急性中耳炎以外の疾患は除外されている」ことが前提 • ワーキンググループGLは「急性中耳炎以外の疾患も含む」ことが前提 • 小児急性中耳炎の診療にあたる臨床医は、各GLの特徴を理解した上で利用するべきである

More Related