
平成15年度の成果報告&16年度の研究計画 気候物理コアモデル改良サブグループ 地球フロンティア・渡辺真吾
15年度成果報告書より抜粋 • 対流圏界面低温バイアスの原因究明 • 放射コードの更新 • 低温バイアスの除去と地形性重力波抵抗パラメタリゼーション • 地球システム統合モデルの解像度 • 重力波の直接シミュレーション
対流圏界面低温バイアスの原因究明 • 熱帯対流圏界面の温度が低く、温度の極小が現実よりも高高度にあった mstrn8 観測:ERA40
対流圏界面低温バイアスの原因究明 • 熱帯対流圏界面付近の短波放射加熱率が他のモデルよりも小さかった mstrn8 UM JMA/GSM
放射コードの更新 • 放射コードの更新が行われた mstrnXに更新された結果、対流圏界面付近の加熱率が増加した
低温バイアスの除去と地形性重力波抵抗パラメタリゼーション低温バイアスの除去と地形性重力波抵抗パラメタリゼーション ○放射コードの更新により熱帯圏界面の低温バイアスが解消された ×高緯度下部成層圏に高温バイアス mstrn8 mstrnX
低温バイアスの除去と地形性重力波抵抗パラメタリゼーション低温バイアスの除去と地形性重力波抵抗パラメタリゼーション ○地形性重力波抵抗パラメタリゼーションをoffにすると高緯度下部成層圏高温バイアス減少 ×高緯度で海面気圧バイアスが悪化 GWDoff SLP bias
地球システム統合モデルの解像度 • 成層圏や対流圏の詳細な化学反応を含むため計算が重くなる • 100年間位のアンサンブル実験を行う必要がある • 赤道QBOの再現が可能な鉛直解像度 • プログラムの並列化の都合で、鉛直層数は8の倍数が望ましい ↓ ↓ ↓ T42L80 に決定
重力波の直接シミュレーション • T42L80モデルには非地形性重力波抵抗パラメタリゼーションの導入が必要 • Hines (1997)のスキームを導入済み • 重力波の全球分布の気候値が入力値(境界条件)として必要になる • 十分な観測データが存在しない ↓ ↓ ↓ 高解像度シミュレーションで気候値を求める
重力波の直接シミュレーション • T106L250モデルによる実験=4年間 • T213L250モデルによる実験=1年間 結果を詳細に解析した
16年度の計画 • 大気(海洋結合)モデルの温暖化実験に向けたチューニングとhybrid並列化への対応 • 対流圏界面温度バイアスの改善と地形性重力波抵抗パラメタリゼーションのチューニング • 成層圏季節進行の改良と非地形性重力波抵抗パラメタリゼーションの改良に向けて • 超鉛直高解像度(T213L640)モデルによる実験 • T213L256モデルによる実験と結果解析 • Hinesパラメタリゼーションのテスト • 高解像度モデルの直接シミュレーション結果とHinesパラメタリゼーション結果の比較 ⇒ 論文執筆