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機械の心・ヒトの心

神戸女学院の心理学 「今だから・心、知りたい」 第 5 回. 機械の心・ヒトの心. 三浦 欽也 〔 神戸女学院大学人間科学部 心理行動科学科 〕 2005 年 12 月 1 日. 機械が心を持つということ. 機械は心を持つことができるだろうか ? どうなったら,機械は心を持ったことになるのだろうか ? どうすれば機械に心を持たせられるだろうか ? 機械は何のために心を持つのか ? そもそも機械は心を持つべきだろうか ?. 「機械の心」を考えることは 「ヒトの心」を考えること. 機械に心を持たせる試み. 人工知能 - 機械に知性を持たせる試み

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機械の心・ヒトの心

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Presentation Transcript


  1. 神戸女学院の心理学 「今だから・心、知りたい」 第5回 機械の心・ヒトの心 三浦 欽也 〔神戸女学院大学人間科学部 心理行動科学科〕 2005年12月1日

  2. 機械が心を持つということ • 機械は心を持つことができるだろうか? • どうなったら,機械は心を持ったことになるのだろうか? • どうすれば機械に心を持たせられるだろうか? • 機械は何のために心を持つのか? • そもそも機械は心を持つべきだろうか? 「機械の心」を考えることは「ヒトの心」を考えること

  3. 機械に心を持たせる試み • 人工知能 - 機械に知性を持たせる試み • なかなか「ヒト」のようにはいかない • 心のはたらきの一部(知的なはたらき)のみ • ロボット - ヒトのように働く機械 • 心は必ずしも必要ではない 部分的で一面的 まだ十分に考察されているとはいえない

  4. 心のはたらき 人工知能 • 「知」 • 知覚・認識・知識・推論・学習 … • 「情」 • 感情・情動・情緒・性格・嗜好 … • 「意」 • 意識・意思・意欲・欲望・本能 … 人工感情?感情モデル? 人工意識?

  5. 心の「機能」 • ヒト以外の動物に心はあるか? • 心もまた,進化の結果形成されたものではないだろうか? • 種の存続と自己保存のために働く? • 「意」 - そのための方向付けをするもの • 「知」 - そのための合理的な判断をするもの • 「情」は? 不合理?  → 実はある種の合理性(野生合理性)がある?

  6. 感情の「野生合理性」(感情のアージ理論; 戸田,1992) • アージ (=適応行動プログラム) • 生理的・認知的要因で起動 • 適応的行動の選択実行(野生合理性) • ムード (=心的状態) • 生理的・認知的要因で変化 • 特定の適応的行動に結びつかない • アージによる行動選択に影響を及ぼす 恐れ・怒り・驚き・不安 喜び・悲しみ

  7. 心と身体 • 心が,進化の結果として,ヒトという種の存続と自己保存のために形作られたとするならば     ↓ • 心は器(身体)に合わせて「オーダーメイド」されているはず ヒトと同じような心はヒトと同じような器(身体)に入れるべき?

  8. 「機械仕掛けの」心 • ヒトに似た身体と,ヒトに似た心の「機能」を持った機械が作れたら,心があるといってもよいだろうか? • そのような機械仕掛けのものを心と呼んでよいだろうか? 心とはもっと神秘的なものではないだろうか?

  9. 心と神秘性 • 「神秘性」を失ったら「心」ではなくなる? • 人工知能は「知能」か? 人工の心は? • ヒトの心のことがわかったら,心はなくなる? • 我々が心が「ある」というとき,そこには何が「ある」のだろう? • 我々が心を「見る」とき,いったい何を「見ている」のだろう そんなはずはない!! ・・・ はず

  10. 心を「見る」 • チューリングテスト(Turing,1950) • 本来は人工知能が「本当の知能」かどうかをテストするもの • ヒトが機械の中に「心」を見ることができるかのテストともみなせる • 心の理論 (Premack, et al.,1978) • 相手の中に「心」を認める働き • ヒトは幼児期にその発達過程で獲得する

  11. チューリングテスト

  12. チューリングテスト 子供だましの単純な仕掛けでも 結構だまされる

  13. 自己 他者 意図 意図 コミュニケーションの発達モデル(≒ 「心の理論」の獲得モデル) 注意の読み取り 共同注意 注意 コンテクストの共有情報の共有 外界

  14. 自己 他者 意図 意図 コミュニケーションの発達モデル(≒ 「心の理論」の獲得モデル) 注意の読み取り 共同注意 注意 行動の読み取り 行動 コンテクストの共有情報の共有 外界

  15. 自己 他者 意図 意図 コミュニケーションの発達モデル(≒ 「心の理論」の獲得モデル) 意図の読み取り 注意の読み取り 共同注意 身体的な類似性が基盤となる 注意 行動の読み取り 行動 コンテクストの共有情報の共有 身体マッピング・模倣・自他の重ね合わせ 外界

  16. http://www.ayu.ics.keio.ac.jp/robovie-video/ ロボットの振る舞いの認知 〔 ATR知能映像通信研究所日常活動型ロボットプロジェクト (Robovie) 〕 • ロボットの豊かな振る舞い • 頭・腕・指・視線で(自分の)注意を表現する • アイコンタクトで意図を伝達する • 相手との相対位置をうまく取り,身体マッピングを助ける ↓ • コミュニケーションを補完し,相互依存・存在感・社会的行動の源泉となす

  17. http://www.ayu.ics.keio.ac.jp/robovie-video/ ロボットの振る舞いの認知 〔 ATR知能映像通信研究所日常活動型ロボットプロジェクト (Robovie) 〕 • ロボットの豊かな振る舞い • 頭・腕・指・視線で(自分の)注意を表現する • アイコンタクトで意図を伝達する • 相手との相対位置をうまく取り,身体マッピングを助ける ↓ • コミュニケーションを補完し,相互依存・存在感・社会的行動の源泉となす 相手を「意図のある存在」 として認めないと,コミュニ ケーションが成立しない

  18. 心はどこにあるのか • 我々が「相手」に心を「見る」とき,心は「相手の中」ではなく,見ている我々と「相手」との関係性の中にあると考える方がよいのではないだろうか? • 心を「相手の中」だけで探しても「逃げてしまう」ように感じるのは,結局,そのような理由によるのではないだろうか?

  19. 機械の心と身体 • 我々が機械に心を「見る」ためには,「心の理論」を機能させる必要がある • そのためには,心も身体も,自分と重ね合わせられる程度に似ている必要がある • また,機械の心と身体は,互いに適合しているべき • 結局,機械の心も身体もヒトに似ている必要があるのでは?

  20. 人工知能研究の最近の流れ • 身体性認知科学 (Pfeifer, et al.,1999) • 知能は,知的主体(神経系と運動系)と環境との相互関係のうちに「創発」する • New AI • Infanoid プロジェクト (小嶋, 他,2001) • コミュニケーション発達を工学的にモデル化 • 機械の心を育てる

  21. 機械に心を持たせるには? • どうすれば機械に心を持たせられるだろうか? • ヒトが機械に心を「見る」には,ヒトのような身体が不可欠? • その身体に合わせた心は? • 試行錯誤によって創発? • 赤ちゃんから「育てる」? • 自己複製と淘汰?

  22. 心を持つ機械 • ストレスの少ないインターフェース • 擬人化によって予測しやすい機械 • 思いやりのある機械 • 双方向メディアとしてのロボット • パートナーとして物語生成する • 自律性・環境適応力のある機械として • 自己保存・種族の保存? • 自己複製と進化?

  23. 結び • 機械は心を持つことができるだろうか? → 可能性はある? • どうなったら,機械は心を持ったことになるのだろうか? → ヒトがその機械の中に心を「見た」とき • どうすれば機械に心を持たせられるだろうか? → ヒトに似た「身体」が不可欠?

  24. 結び(続き) • 機械は何のために心を持つのか? → 「やさしい」機械   「パートナー」としての機械   「擬似生命」としての機械 • そもそも機械は心を持つべきだろうか? → 意義はある ・・・ と信じたい

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