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新たな保健・福祉活動の戦略

新たな保健・福祉活動の戦略. - 地域づくり型保健活動のすすめ -. ヘルスプロモーション研究センター. 岩永 俊博.  地域づくり型保健活動について説明する前に、個別ケースへの関わりについて考えてみましょう。.  視点は、問題解決の手順ということです。. 話を聞いてみると. こんな人や. 話を聞いてみると. こんな人に出くわします. 臨床の場面では. 働き盛りだというのに、血圧が高く、中性脂肪の値も高く、いくら注意しても改善しない. 運動不足だ. 食事の偏りもある. 休養も十分にとれていない. 進行性のがんで治療中の患者さん. 愚痴ばっかり.

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新たな保健・福祉活動の戦略

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Presentation Transcript


  1. 新たな保健・福祉活動の戦略 - 地域づくり型保健活動のすすめ - ヘルスプロモーション研究センター 岩永 俊博

  2.  地域づくり型保健活動について説明する前に、個別ケースへの関わりについて考えてみましょう。 地域づくり型保健活動について説明する前に、個別ケースへの関わりについて考えてみましょう。  視点は、問題解決の手順ということです。

  3. 話を聞いてみると こんな人や 話を聞いてみると こんな人に出くわします 臨床の場面では 働き盛りだというのに、血圧が高く、中性脂肪の値も高く、いくら注意しても改善しない 運動不足だ 食事の偏りもある 休養も十分にとれていない 進行性のがんで治療中の患者さん 愚痴ばっかり 話がくるくる変わる どうも本音を言ってなさそう

  4. 話を聞いてみると なぜだ? さらによく聞いてみると どこから、どう関わればいいのよ?! 働き盛りだというのに 血圧が高く、中性脂肪の値も高い 休養も十分にとれていない 運動不足だ 食事の偏りもある 本人もそのことがよくないことは分かっているみたい 仕事もとても忙しそう 家族の中でもいろいろ悩みがあるみたい・・・・

  5. 話を聞いてみると なにが問題? さらによく聞いてみると どこから、どう関わればいいのよ?! 進行性のがんで治療中の患者さんにどう対応したらいいのか どうも本音を言ってなさそう 愚痴ばっかり 話がくるくる変わる 家族の将来についていろいろ不安があるみたい 自分の気持ちの整理もついていないみたい 治療の先行きにも不安があるみたい・・・・

  6. なぜそれが分からないのだろう? でも、どう頑張ればいいのよ?! どこから、どう関わればいいのよ?! コミュニケーションの取り方が悪いのか 対象の把握の仕方が不十分なのだろうか 把握した資料の分析の仕方が悪いのか もっと頑張らなくちゃ

  7. 問題点の抽出 解決策の決定 解決策の実施 評 価 ケースへの対応では 現状の把握  (アセスメント) という進め方をします

  8. 問題点の抽出 解決策の決定 解決策の実施 評 価  この進め方では、問題を解決するためには、現状アセスメントが最も重要ということになります。 現状の把握  (アセスメント)  つまり、現状をきちんと把握しなければ、問題は解決しないということです。

  9. ギャップ では、「問題」とは、なんでしょう 「問題」とは、そもそものあるべき姿と現実とのギャップと定義されます そもそもあるべき姿 現在の状況

  10.  そう考えると、問題を認識するために最も重要なことは何だと思いますか? そう考えると、問題を認識するために最も重要なことは何だと思いますか?  問題を認識するために最も重要なことは、「そもそものあるべき姿」を認識することということになります。

  11. 足りない部分 = ニーズ、現状の問題として認識される 本来的なあるべき姿とニーズ 目的とする状況(そもそもの状態)

  12.  ここで2つの問題が生じます。 1.現状アセスメントから入る進め方は何なんのか? 2.「そもそものあるべき姿」はどうやって認識できるのか?

  13. 問題点の抽出 解決策の決定 解決策の実施 評 価 原因の発見と 原因の除去 原因の追究  まず、現状アセスメントからはいる進め方について考えてみましょう 現状の把握  (アセスメント) という解決方法を期待しています

  14. 問題があるのかを調べるために資料を収集する問題があるのかを調べるために資料を収集する そのために‥‥‥ 全国値や平均値、同様な地域の値と比較する なぜそういう状態になっているかを調べる 悪ければ問題 地域の健康づくり、健康課題の解決のためにもこのプロセスが用いられることが多くあります。 集めた資料から、どれが問題なのかを調べる 原因や要因へ対応 その原因や要因を探す

  15. 脳卒中になるからだ 家に閉じこもるからだ 運動不足だ 栄養の偏りだ ストレスだ 外にでよう! 筋力が落ちないように 若い頃からの生活習慣を改善しなくては 運動しなくては! 施設を作ろう 人的資源も必要 機会を作らなければ 栄養の偏りをなくしましょう ストレスをためないように! 教室活動、自主グループ活動、さまざまな活動・・・・・ ・介護の必要なお年寄りは減っていますか ・介護者の負担は軽減していますか 介護の必要な老人が多い

  16. 生活習慣がよくないのだ 悪化しないようにしなくては 煙草をやめよう 運動不足だ 栄養の偏りだ ストレスだ お酒を控えよう 運動を続けよう 定期検査を受けよう 若い頃からの生活習慣を改善しなくては 運動しなくては! 知識を深めよう 仲間での励まし合いも大切 周囲の理解も必要 栄養の偏りをなくしましょう ストレスをためないように! 教室活動、自主グループ活動、さまざまな活動・・・・・ ・糖尿病やその予備軍は減少していますか ・病状は軽減し、悪化する人はいなくなりましたか 糖尿病やその予備軍の人が多い

  17. 問題点の抽出 解決策の決定 解決策の実施 評 価 原因の発見と 原因の除去 原因の追究 もとになる考え方 現状の把握

  18. 問題点の抽出 解決策の決定 解決策の実施 評 価 原因の発見と 原因の除去 原因の追究 現状の把握  (アセスメント) この考え方はいろいろな分野で用いられます

  19. 問題点の抽出 解決策の決定 解決策の実施 評 価 現状の把握  (アセスメント) 原因の発見と 原因の除去 原因の追究  ところが、この方法で、高齢者の問題や健康の問題、教育の問題だけでなく、私たちを取り巻くさまざまな問題は解決どころか、ますます増加し、複雑化しています。 それはなぜでしょう

  20. 問題点の抽出 解決策の決定 解決策の実施 評 価 現状の把握  (アセスメント) 原因の発見と 原因の除去 原因の追究  実は、この方法は、問題の原因と結果の結びつきが明確な場合にだけ、解決が期待できる進め方なのです。

  21. 原因と結果が単純に結びつかない場合です 最近の健康問題や私たちが直面する多くの問題は、このようなタイプの問題なのです。 次のような場合はどうする? 何が起こっているのかほぼ分かっていて 原因も大まかに分かっていて 何かの原因があっても、同じ結果が起こるとは限らない あるいは原因と思われることが複雑に絡んでいる

  22. 糖尿病や高血圧などの最近の健康問題や子育て、高齢者を取り巻く問題などは糖尿病や高血圧などの最近の健康問題や子育て、高齢者を取り巻く問題などは ●生じている問題の原因と結果が単純に結びつきません ●地域の歴史と文化、つまりその地域に住んでいる人たちの暮らしや考え方などが複雑に結びついています。 問題の原因を探し、それを取り除くという進め方では問題の解決は困難です。

  23.  各人のいまの状況に、その人がどのように対応するかということは、 各人のいまの状況に、その人がどのように対応するかということは、 ●同じ状況が起こっていても、同じ対応が起こるとは限りません。 ●その人の暮らしの歴史やその過程ではぐくまれた価値観やものの考え方などが複雑に結びついています。 ●現状を引き起こしている原因は単純ではありません。 問題の原因を探し、それを取り除くという進め方では問題の解決は困難です。

  24. のはずなのに なぜそうなった? どうすればいい? 解決 犯人探し 誰が悪い? 誰のせい? 原因と結果が単純に結びつかない問題を  原因探しの方法で解決しようとすると 現状はどうなっている?

  25.  原因と結果の結びつきが明確な場合は、       原因を特定し、それを取り除くことで問題は解決する  私たちは、本当は原因とは言えないものを原因と特定したり、もっと本質的な原因があることを見失っていたりすることがないだろうか  疫学調査をすれば何でもわかるという誤解  現状や原因を知らなければ先へ進まないという先入観  原因を知りたいという好奇心

  26. 理想の姿を考える 現状 理想の姿を実現するために必要な条件を考える 問題として認識される ずれ 条件を整えるために、 誰が、何をすべきかを考える 目的を果たすために、 それぞれの役割を果たす 連携と 役割分担 では、どう考えたらいいのか

  27. 理想の姿の追求 本来の姿は? 原因が複雑な問題の場合 あるべき姿に向かう 原因と結果が単純に結びついている場合 原因を取り除く 原因の追究 なぜ起こった? 健康問題の解決のための方法は2つあるのです 何かが起こっている

  28.  これまで、なぜこのことが問題にならなかったのでしょう これまで、なぜこのことが問題にならなかったのでしょう  それは、時代的、社会的特徴と関係することです

  29. 現状 将来像 これまでの、さまざまな要因の積み重ね 結果の当てはめ 分析 現状を分析するとは・・・・分析的対応策 明日からも昨日までと同じようなことが起こる時代は対応できていた  現代では、現在の状況を分析した答えを、未来に当てはめようとしても手遅れになります。

  30. 昨日までと同じことが明日から続くとは限らない昨日までと同じことが明日から続くとは限らない これまでの、さまざまな要因の積み重ね 現状 将来像 結果の当てはめ 検討 現代→「不確実の時代」「多様化の時代」 過去から学ぶ対策ではなく、将来像から現在を見る視線が大切なのです。 統合的な見方からの検討手順

  31. 情報収集が目的ではない 現状を把握する場面と目的 1.その地域やその人のことをまったく知らないために、情報を集める必要がある。 初めて受け持った患者、初めて担当した地域 2.その地域やその人に起こっている現象の原因を探すために、情報を集める。 食中毒の発生、痛みを訴える患者など 3.何らかの介入を行う際、その介入の効果を測定するために事前に情報を収集する。 治療の開始時、集団健康教育、政策の実行など なんのためにその情報が必要なのかを明確にしないと無駄な情報を集めることになります  

  32.  過去の反応や過去の経験が組織化されたもの 過去の反応や過去の経験が組織化されたもの スキーマ  ここで、人がものごとを分かる、理解するということを考えてみましょう スキーマ  私たちはさまざまな概念や事実、社会での役割、状況に対処する手続きなど、自分の経験をもとに、新たな知識や概念、手続きなどを自分のものにしていきます

  33. KAPモデル スキーマ理論 ・人は認識を構造化する ・知識→態度→行動 認知心理学の発達 ・人は意識の中に、ものごとを認識したり判断するための枠組みを持っている ・人間の行動を規定するものはもっと複雑なのではないか ・脅迫的行動には有効かもしれない ・その枠組み=スキーマ ・スキーマが変化するような働きかけ スキーマ理論

  34. 経験 行動や態度 学習 スキーマ スキーマ  つまり、人の行動は、それまでの自分の経験や、学んだことからできあがった自分なりのスキーマから出てきているのです。 どこで学ぶか: 、教室など 学校 、家庭 、地域 誰から学ぶか: 、友達 、家族 、専門家など テレビ

  35. スキーマの特徴  聞き慣れない固有名詞や親しみのない細かな点は記憶されない(選択) 自分のスキーマにあった情報には注意を向ける  スキーマがなければ、自分に感心があったり非常に衝撃的だったりする部分は記憶に残っても、細かいことは記憶に残らないし、何が大切な情報なのかの選択ができません。

  36. スキーマの特徴  新しい情報を受け入れる際に、自分のスキーマにあうように、再構築して受け入れる(解釈)  とくにこれまで持っていたスキーマと全く違う考え方や方法に対して、本人が意識しているいないにかかわらず、いままで持っていたものと、つじつまを合わせようとする危険性があります。

  37.  話を1度聞いただけで意識改革や行動の変容はできません 話を1度聞いただけで意識改革や行動の変容はできません  教室などを企画する場合、スキーマを促すように、方法や内容を工夫したり、単発ではなく教室の体系化を図ることが大切です。

  38. 問題点の抽出 解決策の決定 解決策の実施 評 価 私たちの問題解決スキーマは 現状の把握  (アセスメント) という流れではないでしょうか

  39.  問題から出発する手順の問題をもう一点、考えてみましょう。 問題から出発する手順の問題をもう一点、考えてみましょう。  問題の解決を図ろうとするときに、「問題はなにか」から出発したり、「どうしたらいいか」というところから出発することがあります。

  40. どうしたらいい? ああすべき! これが問題 こうすべき! 何が問題か? ああすべき! あれも問題 こうすべき! ああすべき! こんな問題 こうすべき! そのような進め方では・・・ という進め方になることがよくあります

  41. えーっ?そうじゃないでしょ。これこそ問題よ!えーっ?そうじゃないでしょ。これこそ問題よ! この進め方では、次のような会話になることがよくあります。 こういうことが問題だよね

  42. そんなことをしてどうするんだ。こうすべきだ!そんなことをしてどうするんだ。こうすべきだ! これについては、今後、こうすべきだと思います 「これからどうすべき?」という問いに対して

  43. なぜ食い違うのでしょう

  44. ギャップ 「問題」とは、そもそものあるべき姿と現実とのギャップと定義しました そもそもあるべき姿 現在の状況

  45. こうすべきよ! こうですよ! いまの状況 こうすべきだ! こうしないと! そもそものあるべき姿が人によって違っていると、問題と思うことが違ったり、「どうすべきか」という提案も違ってきます

  46. そうならないために・・・・ まず最初にするべきことは、話し合いに参加する人たちが、「そもそもあるべき姿とはどうあることなのか」ということを十分話し合い、共有することなのです。

  47.  つまり、いまの状況を見直したり、これからどうすべきかを考える際に、まず最初に考えることは「そもそものあるべき姿」「理想の姿」「将来像」なのです。 つまり、いまの状況を見直したり、これからどうすべきかを考える際に、まず最初に考えることは「そもそものあるべき姿」「理想の姿」「将来像」なのです。

  48. 多様な実体験 たくさんの情報 目的とする状況やそれを実現するための条件は、行政、住民、専門家、当事者などが知恵を出し合って探し出していくことが重要です。 目的とする状況など 思いや知識などの      ぶつかり合いと醸成 専門家としての知識 生活者としての希望や期待など 経験から得たもの もし自分だったら

  49. ここでまた一つ問題があります 目的の具体性、階層性ということです まず、目的の階層性ということを考えてみましょう

  50.  個別のケースに対応するとき、何らかの目的を達成するために、いろいろな人が、いろいろな関わりやケアをします。 個別のケースに対応するとき、何らかの目的を達成するために、いろいろな人が、いろいろな関わりやケアをします。  地域の活動でも、生活習慣病対策や高齢者対策、子育て支援など、さまざまな分野の行政の人たちや住民グループなどが、それぞれの活動を進めます。  それを次のようなイメージで表現してみます

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