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パルサー星雲を伴うパルサーの 回転進化について 田中 周太 大阪大学 宇宙進化グループ D2 共同研究者 高原 文郎. パルサー星雲 (PWN). 中心パルサー & ジェット + トーラス構造 => 回転駆動パルサーのエネルギー供給 !! 超新星残骸 ( SNR) の殻 & 膨張速度~ 1000km/s =>SNR により閉じ込め !! 広波長域の非熱的シンクロトロン放射 => 加速粒子と磁場で構成 !!. C handra. Hester 08. パルサー、磁気圏 、パルサー風の物理を パルサー星雲から抜き出す !!. 研究内容.
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パルサー星雲を伴うパルサーの回転進化について田中 周太大阪大学 宇宙進化グループ D2共同研究者 高原 文郎 コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
パルサー星雲(PWN) • 中心パルサー & ジェット+トーラス構造 • =>回転駆動パルサーのエネルギー供給!! • 超新星残骸(SNR)の殻 &膨張速度~1000km/s • =>SNRにより閉じ込め!! • 広波長域の非熱的シンクロトロン放射 • =>加速粒子と磁場で構成!! Chandra Hester 08 パルサー、磁気圏、パルサー風の物理を パルサー星雲から抜き出す!! コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
研究内容 パルサー星雲のスペクトルモデルを用いて その中心パルサーの回転進化を調べる。 • Braking Indexを用いたパルサーの回転進化モデル • パルサーの回転進化のモデル • 観測でのパルサーの初期周期を求め方 • その他のパルサーの初期周期の求め方 • 用いたパルサー星雲のスペクトルモデル • 若い、TeVガンマ線観測のあるパルサー星雲 • 注入されたエネルギーと断熱膨張の影響 コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
パルサーの回転進化Braking Index 1 n = const. : Braking index, n = 3, when magnetic braking. . (τ0 = P0 / 2P0 ) 年齢 t のみが不定のパラメータ . 注 1.characteristic age tc = P / 2P は年齢 t は違う。 2.k は磁場の大きさに関連、また n = 3 では磁場は一定。 コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
パルサーの回転進化Braking Index 2 L(t) spin-down powerの進化 τ0 t L0と τ0が個々のPSRに固有の量である。 L0・τ0 = 1/2 I Ω02 :回転エネルギー B = B0 (B2 R*3/ 6) :磁場エネルギー が個々のPSRに固有の量である。 コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
観測から得られる初期周期: 方法 . P(t), P(t)の観測があれば、(n = 3) 年齢 t を決めればよい。 A. 過去にSNが観測された記録がある(と思われている)。 B. PSR周りのSNRの半径(e.g. Sedov解など)。 C. PSRの固有運動とSNRの中心のずれ。 コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
プロット(観測より) P0(ms) B(1012 G) コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
その他の初期周期の求め方 SNR内のPWNの力学(膨張)進化のモデル化(Chevalier 05) RSNR / RPWNの観測より (SNR周囲のlocal ISM, SN typeなどの仮定が必要) コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
プロット(Chevalier 05) P0(ms) B(1012 G) コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
ここまでのまとめ • パルサーの回転進化をBraking indexを仮定して求める。 • 観測的もしくは、PWN特有のモデルを介して年齢を求めることで個々のパルサーの固有のパラメータについて考察。 • ここまでに紹介したモデルで含まれる可能性がある不定性 • Braking index n が一定という仮定。 • モデルの不定性(SNR+PWN進化両方のモデル化)。 • 膨張速度などの観測の不定性。 以下で我々のパルサー星雲スペクトル研究 から得られる独立な方法での結果を見る。 コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
パルサー星雲のスペクトル進化 • 若いパルサー星雲のスペクトルを加速された電子陽電子からの • シンクロトロン放射、逆コンプトン散乱で説明する。 • 一様な球状のパルサー星雲内の粒子エネルギー分布関数の進化⇒スペクトルの進化。 e±, B パルサー近傍での粒子加速の情報。 放射冷却+断熱冷却 磁場の見積もり 等速膨張を仮定 コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
かに星雲 • 観測をよく再現する。 • 1kyrで磁場は~85μG • ガンマ線はSSC優勢。 • シンクロトロン光度は • 逆コンプトン散乱成分 • よりも早く減衰。 • (~100TeVで増光) • 電波や可視光の減光率 • を説明できる。 Tanaka & Takahara 10 Vi;nyaikin 07 (radio), Smith 03 (opt.) コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
適用可能な天体 • 大きさが分かっている。 (断熱膨張の効果) • パルサー(P, Pの観測)が見つかっている。 (あたりまえ) • 電波、X線での非熱的成分の観測 • (シンクロトロン成分、broken power-law) • ガンマ線の観測がある。(逆コンプトン成分) . このような条件に合うものについて調べる。 コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
適用した天体 G0.9+0.1 G21.5-0.9 B ~ 15μG B ~ 60μG Kes 75 B ~ 20μG G54.1+0.3 B ~ 10μG 3C58 TeV upper limit 星間光子場の寄与を考慮すると、 かに星雲と同じモデルでよく説明される。 コンパクト天体で探る極限物理@京都大学 14
若いTeVPWNの性質 • かに星雲を除いて逆コンプトン散乱の種光子は星間ダスト • からの赤外線放射が優勢。 • パルサーか供給された回転エネルギーの大部分を粒子の • エネルギーとして保持し、磁場のエネルギーは1000分の • 1程度しかない。 • すべてのTeV PWNは、X線領域の放射はベキ~2.5の粒子 • を注入することで説明できる。 これらを踏まえて non-TeV PWN(3C58)にも適用。 コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
PSRの年齢の決め方: ざっくり • TeVガンマ線観測があるもの。(空間構造の不定性小) • 星間光子場のエネルギー密度を決めると決まる。 • TeVガンマ線観測がないもの。 (空間構造の不定性大) • ηの値がパラメータとなる。(典型的に103程度) P0が直接求まる コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
断熱膨張の効果など • Klein-Nishina効果や粒子の冷却を無視した議論だったので • Klein-Nishina効果は計算には取り入れている。 • まだ手で計算可能 • 現在の年齢では放射冷却はあまり効かず、断熱冷却優勢 • スペクトルの進化計算が重要になる • (τ0、年齢、冷却時間の関係が複雑, 例えばτ0が年齢より小さい天体は断熱冷却がよく効くなど。) 比較的精度よくパルサーの 初期周期が見積もれる。 コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
プロット(パルサー星雲スペクトル) P(ms) Kes75 B(1012 G) コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
PWNスペクトルのまとめ • 若いなどの条件を満たしたPWNに適用。 • TeV PWNについてはUphの不定性のみでP0が決まる。 • Braking indexの仮定への依存性小(P0を求めるには)。 • これまでの観測的な方法、PWNの力学進化を考えた方法 • とは独立の方法である(PWNの非熱的放射に着目)。 One-Zoneのモデルから PWNを伴うPSRの性質を抜き出せた。 コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
プロット(全部) 被っている天体あり P(ms) B(1012 G) コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
問題点 • 基本的にはどの方法でもPWNを伴うPSRしか • 初期周期(年齢)が測られていない。 • どのモデルも一長一短。 • Braking index n = const. = 3 を仮定。 • PSRの質量や半径(慣性モーメント)などは仮定。 • (むしろ回転エネルギーという形で入っている。) • 同じ天体でも方法に依ってP0が違うものがある。 • どちらが正しいと思うのか? コンパクト天体で探る極限物理@京都大学
まとめ • PSRの初期周期、初期磁場は、SN progenitorや • SN形成時の現象と関連している。 • PSR初期周期の統計的な分布は? • 初期にmsec程度PSR(magnetar)は存在するのか? • 統計が足りないが、全体では特にP0の値に傾向はない。 • 逆にPWNに見られる多様性がPSR起源で • どれくらい説明できるか。 • ガンマ線光度が小さいPWN、PWN内の磁場の大きさ • 膨張速度(大きさ) • Broken power-lawのベキ、multiplicity コンパクト天体で探る極限物理@京都大学