1 / 28

強震波形と測地データから推定した 2008 年岩手・宮城内陸地震の震源過程

2008/11/24  日本地震学会秋季大会. 強震波形と測地データから推定した 2008 年岩手・宮城内陸地震の震源過程.   東京大学地震研究所      引間和人 纐纈一起 京都大学大学院理学研究科 宮崎真一. 内容. 近地強震波形, GPS による測地データを用いて  震源過程解析を行った. 解析手順 Double-Difference 法による震源再決定[断層面設定の参考とするため] 余震記録を使った速度構造チューニング 近地波形による点震源での解析 測地データを用いたすべり分布の推定 強震波形による震源過程解析

livana
Télécharger la présentation

強震波形と測地データから推定した 2008 年岩手・宮城内陸地震の震源過程

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. 2008/11/24 日本地震学会秋季大会 強震波形と測地データから推定した2008年岩手・宮城内陸地震の震源過程   東京大学地震研究所     引間和人 纐纈一起 京都大学大学院理学研究科 宮崎真一

  2. 内容 • 近地強震波形, GPSによる測地データを用いて  震源過程解析を行った. • 解析手順 • Double-Difference法による震源再決定[断層面設定の参考とするため] • 余震記録を使った速度構造チューニング • 近地波形による点震源での解析 • 測地データを用いたすべり分布の推定 • 強震波形による震源過程解析 • 強震波形・測地データのジョイントインバージョン • すべり分布の特徴など

  3. 震源再決定の実施 気象庁一元化震源  6/14 – 7/11(地震後4週間) ・本震:震源深さ=7.8km ・余震分布: 南部で浅く,北部で深い ↓ より詳細な本震・余震の位置を決定した上で,断層面を設定する

  4. 震源再決定の実施 • Double-Difference法(Waldhauser and Ellsworth, 2000)による震源再決定 • 気象庁一元化データの検測値を使用 • 本震後4週間の地震を再決定した • 観測点は震源域から80km以内  (観測点数:47) • 速度構造はJMA2001を使用

  5. 再決定した震源 JMA一元化震源 N=3020個 再決定された震源の分布 • 震源深さが浅くなった(特に北部) • 本震:震源深さ 7.8km → 5.9km • 大局的には西に傾斜する余震分布 • いくつかのクラスター状に余震が分布し,余震が発生していない領域もある 6/14~4週間の地震

  6. 強震波形を用いた解析 • 震源近傍の観測点を多く使う • 山地に位置する観測点をなるべく使用する • 震源過程解析の前に,余震波形記録を使って構造のチューニングを行う K-NET, KiK-net 17観測点の記録を使用した.  震央距離 約60km以内 本震後24時間の震源をプロット

  7. 観測 計算 速度構造モデルの設定 結果例 AKT023 IWTH04 余震記録の波形インバージョンにより,観測点毎に水平成層構造を設定した RD TR UD MYGH06 解析に使用した地震 6/18 16:18 (M4.2) h=8.1 km F-netのメカニズムを仮定 解析波形 0.05~0.5Hzまたは1.0HzのBPF   積分して速度波形とした Hikima and Koketsu (2005) と同様の方法

  8. Total Moment 2.1x1019Nm (Mw 6.8) 断層面の設定 1.Kikuchi and Kanamori(1991) と同様の”反復はぎとり法”を強震波形に適用し,複数のモーメントテンソル解を求めた 0.02~0.1Hz のBPF,速度波形 2.主要なモーメントテンソル解 (201°,45°,91°)   に余震分布を参考に西傾斜の断層面を設定する 3.傾斜については,強震波形,GPSデータの解析の際に残差が最小になるように微修正した 45 → 41° 4.破壊開始点の深さ=6km 本震後24時間の震源をプロット

  9. Ymn Xmn T mn 解析条件 Dip=41° • 長さ:42km,幅:18km • 小断層サイズ:2km×2km • 解析波形 0.03~0.5Hz(周期2秒)のBPF,速度波形 S波到達後15~20秒までの波形を使用 • multi-time window法[Yoshida et al.(1996)+非負の最小自乗法]によるインバージョン • 拘束条件 時間・空間の平滑化 平滑化強さはABIC最小条件で決める 本震後24時間の震源をプロット

  10. 胆沢観測点 栗駒2  水平:149cm,上下:208cm 測地データ 水平 鉛直 • GEONETの30秒サンプリングデータを使用. • 地震時の急な変化は可能としながら,それ以外の時間帯は時間方向に平滑化をかけた解析.(Larson and Miyazaki, 2008) • 地震2分後-地震1分前 を地震時の地殻変動量とする. • 観測点数 46点

  11. ・GPS観測点 ・深さ設定地点 速度構造モデルとGreen関数                 (測地データ) ・理論地殻変動量の計算 Zhu and Rivera (2002)のプログラムによる(水平成層構造) ・設定した水平成層構造   ・強震波形計算用の一次元構造を補間し,簡易3次元モデルを作成.   ・GPS観測点での各層の深さを抽出し,観測点ごとに一次元水平成層速度構造モデルを設定した. (Vp=4.3, Vs=2.0km/s)層の上面深さ

  12. 黒:Obs 白:Cal 黒:Obs 白:Cal 測地データ解析結果 [1枚断層] Mo=2.7x1019Nm (Mw 6.9) 最大すべり=5.1m • 断層北部(胆沢)の水平変動・上下変動 ともに方向が反転   → 胆沢観測点は断層の下盤側に位置する必要がある 走向:201° 傾斜:41

  13. Mo=2.7x1019Nm (Mw 6.9)最大すべり=5.2m NNE SSW 測地データ解析結果 [2枚断層] 南:走向201°傾斜41° 北:走向191°傾斜41°  の2枚の断層面で解析 • 南部のすべり分布はほとんど同じ • 北部のすべり量は1.2m程度

  14. 測地データ解析結果 [2枚断層] • 胆沢観測点の変位ベクトルが再現可能に 黒:Obs 白:Cal 黒:Obs 白:Cal

  15. 水平 鉛直 測地データ解析結果 [2枚断層] • 栗駒2の変動量はやや不足しているが,概ね良好に観測値を再現している

  16. Mo=2.4x1019Nm (Mw 6.9) 最大すべり=4.7m NNE SSW 強震波形 解析結果 • 2枚の断層面を設定した結果 • 測地データに比べて狭い領域にすべりが集中 第一タイムウィンドウ伝播速度=2.8km/s

  17. 波形の比較(強震波形のみ) NS EW UD NS EW UD

  18. Mo=2.4x1019Nm (Mw 6.9) 最大すべり=4.7m Mo=2.7x1019Nm (Mw 6.9)最大すべり=5.2m 測地データ,強震波形 単独解析の結果 • 両者のデータを同時に使用してインバージョン解析を試みる 強震波形の解析結果 GPSデータの解析結果

  19. NNE SSW Mo=2.5x1019Nm (Mw 6.9) 最大すべり=5.8m 測地データ・強震波形のジョイントインバージョン • 南部のアスペリティですべりが集中 • 北部のすべりは広く分布し,浅部でやや大きい • 余震はアスペリティの周辺で発生 • アスペリティの延長部付近で地表断層が確認されている +は産総研による地表断層位置

  20. 波形の比較(ジョイントインバージョン) NS EW UD NS EW UD

  21. 水平 鉛直 測地データの比較(ジョイントインバージョン) • 震源付近の観測点のベクトルの方向は一致 • 栗駒2 で計算される地殻変動量は観測値の半分程度

  22. Mo=2.5x1019Nm (Mw 6.9) 最大すべり=5.8m Mo=2.4x1019Nm (Mw 6.9) 最大すべり=4.7m Mo=2.7x1019Nm (Mw 6.9)最大すべり=5.2m 測地データ 強震波形+測地 強震波形 結果の比較 • 強震→ジョイント:アスペリティがやや深くなった.周辺部のすべりが減少 • 測地→ジョイント:大きなすべりが集中,栗駒山直下でのすべりが無い

  23. 測地データのみ 強震波形+測地 黒:Obs 白:Cal 黒:Obs 白:Cal • 断層の西側に位置する観測点で計算される変動量が減少 • 測地データを説明するためには,断層深部でのすべりが必要?   → 今後の検討課題

  24. NNE SSW 1.5m/s程度 すべり時間関数の分布 ジョイントインバージョン結果 第一タイムウィンドウ伝播速度=2.8km/s ・最大すべり周辺のすべり速度は1.5m/s程度 ・北部の断層では若干遅れて破壊開始

  25. 断層面での応力変化量の分布 • Okada (1992)により断層面での応力変化を計算  最大:約40MPa  アスペリティ平均:約30MPa  → 大きな加速度・高周波成分に富んだ波形の一因か? 青:応力降下 すべり量分布

  26. まとめ • 近地強震波形,測地データを使って2008年岩手・宮城内陸地震の解析を行った. • 震源再決定の結果,断層北部での余震も浅部で発生していることを確認. • 強震波形,測地データの解析結果の主要な特徴は一致し,震源の南側・浅部にかけて大きなすべりが存在する. • 最大アスペリティでのすべり量は5~6m. • アスペリティの面積は小さく,応力降下は30MPa以上と大きい. • 北部にもすべりが存在するが,すべり量は1~1.5m程度. • 強震波形,測地データの解析結果には異なる箇所もあり,両者の時間特性の違いなどについて,検討を要する. 謝辞:解析には防災科学技術研究所KiK-net,K-NETの波形記録,国土地理院GEONETのGPSデータ,気象庁一元化読み取りデータを使用させて頂きました.

  27. 破壊過程のスナップショット ジョイントインバージョン結果

More Related