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F :天体ダスト  2008年12月1日 

F :天体ダスト  2008年12月1日 . 単位名   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一 . 12月8日は休講です。. 授業の内容は下の HP に掲載される。 http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/kisohp/STAFF/nakada/intro-j.html. 成績は出席とレポートの双方により決めます。. 授業タイトル A : 赤色巨星をめぐって             2008年10月 6日 B:  赤色巨星構造の追究            2008年10月20日

umberto
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F :天体ダスト  2008年12月1日 

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  1. F:天体ダスト  2008年12月1日  単位名   大学院:恒星物理学特論IV 教官名中田 好一  12月8日は休講です。 授業の内容は下のHPに掲載される。 http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/kisohp/STAFF/nakada/intro-j.html 成績は出席とレポートの双方により決めます。

  2. 授業タイトル A: 赤色巨星をめぐって             2008年10月 6日 B: 赤色巨星構造の追究           2008年10月20日 C: ハヤシライン                  2008年10月27日 D: スペクトル分類           2008年11月10日 E: ダスト光学              2008年11月 17日 F: 天体ダスト               2008年12月 1日 G: 赤外スペクトル                2008年12月15日 H: 等級とカラー             2008年12月22日 I:  変光                     2008年 1月19日 J:  銀河系・系外銀河の赤色巨星     2008年 1月26日

  3. 積み残し E.3. 微小( a<<λ )粒子の光吸収 粒子半径が光の波長に比べ小さい時には、ミー解の初項のみが支配的となり、 この解は粒子を一つの電気双極子と見なしたことに相当している。これは、粒子の各部分が一様な電場を感じていると考えると、以下に述べるように自然に理解できる。 E.3.1.一様に分極した誘電体球 ρ+=N・q + = ρ-=-N・q 分極した誘電体球(半径a)を、一様に正に帯電した球と負に帯電した球が r だけずれて重なっていると考える。

  4. 全体の電位φは、φ+とφーの和であるから、 球内部の電場: R<a 正電荷球の内部、中心からRでの電場Eは 電位は中心でゼロとして、 ここはx、y、zで考えると少し分かりやすいかも知れない。   +電荷球の中心=(0,0,0)、 ー電荷球の中心=(0,0,-r) とする。 なので、 球内部では、分極密度 P により、Pと逆向きの一様な電場 E が生じている。

  5. 全体の電位φは、 球外部の電場: R>a 正と負に一様に帯電した球が球の外に作るポテンシャル、φ+とφーはそれぞれ ここの  は球全体の双極子モーメントでE.3.1の最初に出てきた原子1個 の    とは違うことに注意。 E=-4πP/3 球外部では、po=∑patomによる双極子場が生じている。

  6. φ φ=φ++φ- 4πP/3a -a a O R -φ- φ+ 球外部 球内部 球外部

  7. E.3.2.一様な外部電場中の誘電体球 前節では外場Eo=0で分極Pが独立に存在する状況を扱った。ここでは、球が誘電率εの物質から成り、外場Eoが分極Pを発生させる場合を考えよう。 球内部では、外場Eoと球の分極Pにより生じる電場(-4πP/3)の和として、E=Eo-4πP/3 の電場が生じている。 Eo -4πP/3 ー - - - - - - - + = E P Eo Eo + + + + + + + + 一方、物質の誘電率=εなので、 εE=E+4πP この2つの式をEとPについて解くと

  8. 球の半径 a が小さい、x=2πa/λ<<1、場合は球全体を一つの電気双極子poと看做すことができる。 p p = p p po p p p p 前ページで求めたPを使ってpoを表すと、 つまり、電気双極子 p0=αE のαは、 電気双極子の吸光断面積σは前回E.1.でやったように、 なので、    この式はE.3.の最初に述べたミー吸収の初項と同じである。

  9. αatom=原子分極率(atomic polarizability) E.3.3.光吸収の効率 上の左式は吸収断面積σが幾何学断面積 πa2 のQ倍であることを示す。 上右式はQを書き下したものであるが、x=2πa/λに比例している。この式で粒子半径a、下がってxを、小さくすると、 Q0になる。 粒子が小さくなると吸収効率は低下するのだろうか? 粒子の中にはN=(4πa3/3)n個の原子が含まれている。原子1個当たりの吸 収断面積σatom= σ/Nを求めてみよう。 ダストを構成する原子の一つ一つが双極子であると考える。この原子の双極子モーメントpatomと原子に働く電場E1の間にpatom=αatomE1の関係を仮定する。 個々の原子は誘電体内の平均電場Eaveを受けているわけではない。なぜなら、Eaveには考えている原子自身による電場Eselfも含まれているからである。

  10. 考えている原子のまわりに、原子一個分の球状の空洞を考える。空洞の壁に生じた分極電荷による電場はEcav=+4πP/3だが、平均電場Eaveにこの空洞電場Ecavを加えたE1=Eave+Ecav が原子に実際に働く電場である。すると、考えている原子のまわりに、原子一個分の球状の空洞を考える。空洞の壁に生じた分極電荷による電場はEcav=+4πP/3だが、平均電場Eaveにこの空洞電場Ecavを加えたE1=Eave+Ecav が原子に実際に働く電場である。すると、 個々の原子の双極子モーメント patom は、 patom=αatomE1=αatom(Eave+Ecav) =αatom(Eave+ 4πP/3 ) Eave p P=N・p 従って、P=N・patom=Nαatom(Eave+ 4πP/3 ) 一方、誘電率εの定義から、ε・Eave=Eave+4πP この2つから、 したがって、

  11. この式は、a<<λの時に原子1個当たりの吸収断面積は、一定値を取ることを示している。この式は、a<<λの時に原子1個当たりの吸収断面積は、一定値を取ることを示している。 その値はダストを構成する原子が単独でその原子分極率を持つガスとして存在する時の双極子吸収断面積に等しいことがわかる。 通常、宇宙空間ではガス中の原子が凝結してダストになると光吸収率が劇的に増加すると考えられている。したがって、この結果はいささか奇妙である。

  12. F.1.固体の光学的性質 屈折率(refractive index) m = m1-i・m2 誘電率(dielectric function) ε=ε´+ i・ε´´=m2 真空中での電磁波  E=Eo・exp( -i・2πx/λ+i・ωt) 屈折率mの媒質中  E=Eo・exp(-2πk・m2 /λ)・exp(-i・2πm1 ・x/λ+ iωt) F.1.1.Lorentz model (非電導性、例えば岩石)  固体を双極子(光で揺すられるバネ)の集まりとみなす。 原子双極子pに働く電場をE1=E0・exp(iωt)とする。 (Aは質量) ここに、 p(双極モーメント)=q・z=αatomE1 より、

  13. ここに、 はプラズマ角振動数である。 である。 ローレンツモデルでは、E1 とEave を区別しない。したがって、 εE=E+4πP、 P=n・p、p=αatomE     ( ε-1)E= 4πn・ αatomE              

  14. ローレンツモデルの誘電率と屈折率 4 ε´ ε´ ´ 2 3 k 1 2 n 0 1 0 ωO ω ωO ω

  15. ωOは共鳴角振動数と呼ばれ、バルクな固体では吸収が最も強くなる箇所である。ωOは共鳴角振動数と呼ばれ、バルクな固体では吸収が最も強くなる箇所である。 固体表面に垂直に入射する電磁波の反射率は、 で与えられるので、通常はω= ωOの付近でR≒1となる。 例1 多くの場合、紫外~可視域では、電子の詰まったエネルギーバンドから空のエネルギーバンドへの遷移に伴う吸収が起きる。 n 2 ω= ωO k 1 0 ωO ω ω< ωOでは、n≒一定で短波長(青)側に緩やかに増加し、k<<1で透明となる。ガラスや水では可視域が、紫外域にある吸収帯の裾野にあたる。これらの物質は。可視で透明でかつ屈折率nがほぼ一定で、短波長側にやや大きくなっている。

  16. 例2  赤外波長帯には、結晶格子の振動による吸収が起きる。例2  赤外波長帯には、結晶格子の振動による吸収が起きる。 振動のモード毎に共鳴振動数は変わるので、物質の光学的性質は様々な共鳴振動子の集まりと考えられ、次のように表される。 ε´ 透明 透明 透明 透明 ε´´ 0 0 ω1 ω2 ω3 ω

  17. F.1.2.Drude model (電導性、例えば金属)F.1.2.Drude model (電導性、例えば金属) 金属では電磁波による自由電子の振動がその光学的性質を決めている。 Lorentz modelでC=0(バネなし)とおいて、金属のεを求めると、 2 ε´ ´ 0 γは電子の衝突間隔時間τと、 γ~1/τの関係にある。可視・紫外では、γ<<ωなので無視でき、 -2 -4 ε´ -6 ωP ω

  18. 多くの場合ωP=2-15eVである。ω< ωP(可視)ではn<1、n<<kとなり ω>ωP(紫外)ではε´≒1、 ε´´≒0、つまりn≒1、 k≒0、となり金属は透明になる(ultraviolet transparency)。 簡単なイメージとしては、周波数が低いと電磁波に対し金属内の電子が揃って動いて強い誘導電場を生み出して電磁波を遮断し反射する。周波数が高くなると電磁波による電場の速い動きに電子の質量がついて行けなくなり、金属内の誘導電場の応答が小さくなって透明になる。 後に述べるが、ω< ωPにおいてε´<0となる現象は固体微粒子の光吸収において大きな効果をもたらす。

  19. F.2.微小ダストの共鳴吸収 を見ると、 ε=-2付近でQ>>1となることが分かる。そこで、 ε=ε1+iε2とおいてこの共鳴吸収の様子を調べてみる。 ε=ε1+iε2 面上でA=一定の線、つまり吸収強度一定の線を引くと 下の式のようになる。 ε面上で、(ε1,ε2)=(-2、0)は特異点で、(-2、 ε2+0)でA∞ となる。 したがって、物質の複素誘電率が(-2、0)付近を通る時には共鳴吸収が起きて、ダストは非常に強い吸収を引き起こす。

  20. 6 共鳴吸収領域 ε2 4 2 0 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 ε1 A=Im [(ε-1 )/(ε+2)]=一定の軌跡 A=1/2 3/4 3/2 弱い吸収領域 3

  21. F.3.星間減光 D F=L / (4πD2) m=M+5log(D/10pc) D F=L exp(-τ)/ (4πD2) m=M+5log(D/10pc)+A A=2.5(loge)τ=1.086τ τ F.3.1.星間減光曲線 減光のない時 減光のある時 A=星間減光(Interstellar Extinction)と呼ばれ、星間空間中の微小な    固体微粒子が原因と考えられている。

  22.  Av=1に規格化された標準減光曲線 λ   A(λ)/A(V) 7 0.020 5 0.027 3.4 0.051 2.2 0.108 1.65 0.176 1.25 0.282 0.9 0.479 0.7 0.749 0.55 1.00 0.44 1.31 0.365 1.56 0.33 1.65 λ   A(λ)/A(V) 0.28 1.94 0.26 2.15 0.24 2.54 0.218 3.18 0.20 2.84 0.18 2.52 0.15 2.66 0.13 3.12 0.12 3.58 • λ   A(λ)/A(V) • 250 0.00042 • 0.0012 • 60 0.002 • 35 0.0037 • 25 0.014 • 20 0.021 • 18 0.023 • 15 0.015 • 12 0.028 • 10 0.054 • 9.7 0.059 • 9.0 0.042

  23. Log(Aλ/Av) 星間減光曲線 0 星間吸収曲線 2200ÅHump -1 A(λ) ~ 1/λ -2 9.7μ、18μ吸収帯 -3 -1 0 1 log(λ) 2

  24. ε1 1 0 ωp -1 -2 -3 表面プラズモン 0 ωp ω F.3.2.星間減光曲線の特徴 (1) 紫外域の減光のこぶ グラファイト(やメタル)では固体内自由電子によって、 ε=1- (ωp/ω)2となり。 ε=-2で吸収のピークが生まれるのではないか?

  25. グラファイトの誘電率ε1とε2 E(eV) 0 10 15 5

  26. 半径a=0.1μmのグラファイト球のQを下に示す。半径a=0.1μmのグラファイト球のQを下に示す。 横軸はー1.5<logλ(μ)<0.5、 縦軸は-1<logQ<2 である。

  27. (2) R=Av/(AB-Av) (the total to selective absorption ) R=3.1 場所より 2.7~5 (3) 可視域では Av ~ 1/λ (4) 9.7μ、18μ吸収帯      9.7μ: Si-O のStretching Mode      18μ : Si-O-Si のBending Mode      吸収帯には細かい構造が欠けている。      鉱物種を特定できない。 (5) 星間ダスト成分 以上から炭素系とシリケイト系のダストが存在する    ことが分かる。

  28. 星間減光の簡単なモデル 前ページで述べたように、星間ダストはメタル系のダストと誘電体的なダストが混在しているらしい。そこで、メタル物質の誘電率をεG、誘電体物質の誘電率をεSとし、 とする。この式を波数k=1/λ=2πc/ωで書き直し。 モデルに以下の数値を入れて計算を進めた。

  29. F.4.星間ダストモデル Optical Properties of Interstellar Graphite and Silicate Grains B.T.Draine, H.M.Lee 1984, ApJ,285,89-108。 星間ダストのモデル=グラファイト+シリケイ グラファイトの誘電率 グラファイトは下図のように平らな層が重なっている。 ε॥とε⊥のそれぞれについて、 (1) ε= ε1+i・ε2のε2データ収集 (2) Kramers-Kronig関係でε1決定 ε॥ = 層に垂直な軸に平行な誘電率 ε⊥= 層に平行な誘電率

  30. ε2データ収集 i) ε⊥、2(ω) = 結晶軸に垂直方向の誘電率ε⊥の虚数部      非常に多くの実験があるが。一致は良くない。 ε⊥=1+δε⊥b+δε⊥f (Philipp 1977)  δεb=バンド間,      とおいて(δεf=自由電子成分)、δεbを決める方法をとる。 ここに、プラズマ振動数、hωP=0.44eV δεbはまず、δεb2を下の引き算で決定し、       Im(δεb)=ε⊥、2― Im(δεf ) 次にクラマースクローニッヒの式でδεb1を定めるという方法をとる。 ε⊥、2データの収集          エネルギー 0.001eV<ℏω<1eV  Philipp 1977 1eV<ℏω<2eV  Tosatti.Bassani 1970 + Philipp 1977 2eV<ℏω<33eV  Tosatti.Bassani 1970の4-6eVに変更 2200Aのフィットを良くした。 33eV<ℏω        Hagemann,Gudat,Kunz 1974,1975

  31. ii) ε॥ 、2(ω) = 結晶軸に平行方向の誘電率ε॥ の虚数部 ε ॥ 、2データの収集             エネルギー   0.015eV<ℏω<0.5eVVenghaus 1977 Drudeにフィット δε‖f ーー> hωP=0.101eV、τ=1.4・10-14s   0.1eV<ℏω<3eV      Venghaus 1977(1eV<ℏω)につなぐ。   3eV<ℏω<6eV      Venghaus 1977   6eV<ℏω<6.5eV      つなぎ   6.5eV<ℏω<21eV      Tosatti.Bassani 1970 21eV<ℏω<25eV      つなぎ   25eV<ℏω            Hagemann,Gudat,Kunz 1974,1975 ε1の計算 ε⊥ 、ε॥のどちらに対しても、δεbのクラマース・クロニッヒの関係式を用いてδε2bからδε1bを計算する。 結果を次ページのグラフに示す。

  32. hν<1eV ε2 ε1 hν>1eV

  33. シリケイトの誘電率 ε(hν <0.207eV、6μm<λ)=31振動子 ε(0.207eV<hν)=2.4+0.1・i   (ただし、下図を見ると相当改変) ε2(4.5<hν<16eV)<―― 結晶オリビン Huffman,Stapp 1973 ε2(16eV<hν)<―― Al2O3 (Hageman,Gudat,Kunz、1974) K-K関係式を用いて、 ε2 ε1 を決定する。結果は下の図。 ε2 ε1

  34. 減光効率Qabs グラファイト シリケイト

  35. 星間減光曲線 可視ーUV波長域 赤外波長域

  36. F.5.天体ダストモデルの問題点 2200A Hump グラファイト説の最大の根拠は「2200Aのこぶ」と言われる吸収バンドである。このバンドはグラファイトが面方向に動く自由電子のプラズマ振動によって、 Re(ε)=-2付近を通ることが原因とされる。 これは共鳴吸収なため、実際の誘電率ε面内での軌跡、粒子の大きさ、形状により吸収曲線が大きく変動する。 また、実験室でグラファイト微粒子による2200A Humpを再現した報告もない。 宇宙空間で純粋のグラファイト片が実際にできるのかという疑問もある。 10μ バンド こちらはシリケイトダストの根拠となっている。 このバンドの大きな特徴は形が滑らかで構造(バンドの突起や溝)が見られないことである。そこで、シリケイトと言っても地上の鉱物のような結晶質ではなく、非結晶シリケイトではないかとされている。ただし、ISO衛星以来結晶を示す吸収バンドの観測も報告されている。

  37. 3.4.PAH

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